ヨガ

歳を取っても動ける体づくり4 「がっせきローリング」

体の柱、背骨が曲がっていると、首、肩、腰に過剰な負荷が掛かるだけでなく、神経系にも悪い影響を与えます。更に、曲がった背中は人に与える印象が悪く、老けても見えます。

背骨が曲がる原因は筋力の低下だけではありません。背骨を真っすぐにすると、筋肉が疲れてしまう方は、背骨を骨だけで体重を支えられる位置に調整できていない可能性があります。

背骨にしなやかさを取り戻し、位置調整が出来るようになると、背筋は自ずと真っすぐ伸びてきます。

しかし背骨を真っすぐ立てることが出来ても、土台となる骨盤が傾いていては元も子もありません。骨盤が傾くとポッコリお腹になったり、太ももがパンパンに張ってきたりしますし、骨盤内の内臓の位置も歪んでしまいます。

そこで、本記事では、背骨のしなやかさを取り戻して姿勢を正すと同時に、土台となる骨盤の位置と動く感覚を磨くことができる健康体操、「がっせきローリング」について紹介します。

健康体操その前に

体操の効果は動かす部分を意識するだけで大きく変わります。そこでまず、がっせきローリングで動かす背骨と骨盤について少し説明します。

背骨

背骨の図背骨は、骨盤の間にある仙骨に繋がっている腰椎から、首の骨、頚椎まで24本の小さな骨が集まって構成されています。

細かく分かれているからグネグネと動いて、複雑な動作にも耐える事ができます。

しかし背骨のしなやかさが失われて、一本の棒のようになってしまうと、上手に負荷を受け流すことが出来なくなり、周囲の筋肉に頼って体を支えるようになっていきます。すると余計な緊張が体を覆うので、肩こりや腰痛に。

更に周囲の筋肉は酷使されると固くなってしまうので、背骨は動きづらくなり、しなやかさを失っていくという悪循環に陥ってしまいます。

そうならないよう、背骨の一本一本の動きを意識して一本一本動かしてあげる事が健康体操のポイントです。

骨盤

骨盤の図体の要と書いて腰。その腰の骨である腰椎を支える骨盤は身体の土台と言っても良いでしょう。

骨盤が歪んだり、スムーズに動かせなくなったりすると、体の重さを支えるため、バランスを取るために無駄な力を使う必要が出てきます。

骨盤内には膀胱、子宮、直腸などの内臓も収まっているので、骨盤がゆがみむと内臓の位置もゆがんでしまいます。無用なストレスが内臓にかかった状態は、健康からは遠い状態。健康にとって骨盤のゆがみは大敵です。

とは言え、骨盤の位置は慣れるまで分かりにくいもの。まずは図をみてどのあたりにあるのかイメージしましょう。体操を続けていくと、普段の生活中でも骨盤の状態が分かるようになり、適宜、適切な位置に修正できるようになります。

「がっせきローリング」は骨盤を前後にしっかり動かすので、骨盤に対する感覚を磨くのに最適な体操です。

がっせきローリングの説明の際、骨盤を後傾、前傾させるという単語を使うので、その説明図を載せておきます。前傾の際は、尾骨を斜め後ろに、後傾の際は恥骨を前に押し出すイメージで行うとやりやすくなります。

骨盤の前傾

(本記事で使用している骨格図は全て、PRiCO(ぷりこ)さんによるイラストACからのイラストです。)

がっせきローリングのやり方

がっせき前に背骨の準備

  • あぐらをかき、坐骨に均等に体重をかけ、骨盤を立てて座る。
  • 背骨を根元から一本ずつゆらゆら横に揺らす。
  • 頭の付根まで丁寧にゆらしたら、全体を波のように、心地よく感じる幅と速度でゆらす。
  • 真ん中で止めて呼吸に集中。
  • 頭頂から息を吸い込んで下腹に溜め、下腹を凹まして頭頂から息を吐き出す。気持ち良いと感じる深さで数回行う。無理をしない。
  • 自然な深さで数回呼吸する。

がっせきローリング

  • 足の裏を合わせて座り、足の親指を両手で掴む。(痛い場合は足首でOK)
  • 息を吸いながら骨盤と背骨を引き上げる。
  • 息を吐きながら骨盤を後傾させ、背中を丸め、へそを覗き込みつつ背中に引き込む。
  • 息を吸いながら骨盤を前傾させ、尾骨を斜め後、頭頂を斜め前に伸ばし、背骨一本一本の間隔が広がるイメージで伸ばす。
  • 上記を数回繰り返す。
  • 呼吸を反転させて繰り返す(息を吸いながら骨盤を後傾させ、背骨を丸める。息を吐きながら骨盤を前傾させ、背骨を伸ばす。)

股関節と仙腸関節のストレッチ

  • 手を足から離して前方に伸ばして脱力、体の重さで上体を床に近づける。
  • お尻、膝が左右に広がるイメージで、脚の付け根を伸ばす。

骨盤の間には背骨と繋がっている仙骨という骨があり、仙骨と骨盤は仙腸関節で繋がっています。仙腸関節はほとんど稼働しない関節ですが、このストレッチの際は仙腸関節が広がっているとイメージする事で更に効果を高められます。

最後はゆっくり背骨を巻き上げるようにして、元の位置に戻りましょう

呼吸法で更に効果アップ

お尻の穴を引き締めて深い呼吸を行う事で、骨盤底筋が鍛えられ、高齢の方の尿漏れ予防、女性の方は生理時の汚れ軽減等に繋がります。

骨盤底筋肉は、尿を我慢したり、途切れさせるようとしたりする時、力が入る部分と思って頂ければ概ね大丈夫です。

さらに下記のようなイメージをしながら呼吸を行う事で、呼吸に没入しやすくなるので、自律神経を整える効果アップも見込まれます。

息を吸う時:横隔膜を下げ、肋骨を広げて、空気が頭頂から入ってきて背骨を通って下腹に溜まるイメージで吸う。

息を吐く時:横隔膜を引き上げ、肋骨を狭めると、空気が下腹から背骨を通って頭頂から抜けていくイメージで吐く。

人体は頭に描いたイメージに従って微かに動き、その微かな差が大きな効果をもたらします

骨や関節は数mmズレるだけで体に痛みをもたらすのですから、コンマ数mmと言えど侮れません。

機械的に動くのではなく、イメージしながら、体の各部に意識を向けながら行ってみましょう。

体操効果を高めるイメージ チャクラと丹田

ヨガでは会陰から頭頂まで一直線上に7つのチャクラと呼ばれる、エネルギー発生源があると考えられています。

がっせきの最後に行う呼吸は、7つのチャクラ全てを通るイメージで行うとより効果的に体を緩める事ができます。

第七チャクラから空気を取り入れ、第二チャクラに溜めるイメージと、第一チャクラを締めるイメージです。

【チャクラの位置】

第一チャクラ:会陰(性器と肛門の間)

第二チャクラ:へそ下指三本分の位置

第三チャクラ:みぞおち

第四チャクラ:胸の中央(両乳首の間)

第五チャクラ:鎖骨間の中央

第六チャクラ:眉間

第七チャクラ:頭頂より少し上の空間

ちなみに武道では、第二チャクラを下丹田、第四チャクラを中丹田、第六チャクラを上丹田と呼びます。

時代と国が違っても人体を突き詰めて研究した結果、同じ身体感覚にたどり着くというのは興味深いですね。

 

ヨガと古武道の基礎稽古を電子書籍化

“歳を取っても動ける体つくり”シリーズの内容に+αの情報、ヨガのイメージ法、古武道の基礎稽古法(スワイショウ、立禅)を追加、校正を加えて電子書籍にしました。

負荷が少なく中年から高齢者の方でも手軽にできる動きを選んでいます。ヨガと古武道の理を使って、健康な体を作りましょう!


年齢に負けない体づくり 古武道由来の”簡単にできる健康体操”