アドムカシュヴァナーサナとは、サンスクリット語で、下を向いた犬のポーズの意。ダウンドッグと呼ばれることが多いヨガポーズで、肩甲骨と骨盤の使い方を同時に学ぶ事ができ、負荷もさほど大きくないオススメポーズの一つ。ヨガスクールでは、これが出てこないレッスンの方が少ないほど有名なポーズです。
しかし、意識するべきポイントが多々あり、それっぽい形でやっただけでは効果をフルに得られないポーズでもあります。本記事では最初にダウンドッグ、アドムカシュヴァナーサナのやり方を紹介。続いてポーズ中に意識するポイントと、それらポイントを的確に押さえるための壁を使った練習法について紹介します。
Contents
アドムカシュヴァナーサナのやり方

- 四つん這いになる
- (肩関節の真下に手のひらを置き、中指を正面に向ける
- 膝は腰幅程度に開いて、太ももと地面が垂直となる位置に置く)
- 両手で強く床を押してお尻を持ち上げる
- 背中を真っすぐ伸ばす(反りも丸まりもしないように注意する)
- 肩甲骨を骨盤方向に引け下げる
- 骨盤を反り腰にも猫背にもならないポジションに調整し、尾骨を斜め上に伸ばす
- 尾骨と頭頂で引き合うように背骨を伸ばす
- 膝は曲げたまま、かかとが床から離れていてもOK
- 膝を伸ばし、かかとを床に着ける(骨盤、背骨の位置は崩さないように)
- 手のひら全体と足の接地面全体で床を押す
- 深くゆっくりと数回呼吸する
アドムカシュヴァナーサナで意識するポイント
1. 肩甲骨引き下げと中丹田
頭と腕を地面に向けるため、意識しないと肩甲骨が頭の方に移動して、肩と首が詰まってしまいます。首を長く保つ事で呼吸を深く、身体の緊張を緩める事ができるので、肩甲骨は骨盤方向に引き下げましょう。胸の中心、中丹田に力を集める意識で行うのも効果的です。
2. 骨盤の向きと背骨の伸び
骨盤が後傾すると背骨が丸まって伸びが得られず、前傾すると背骨が反って腰を痛めるリスクが生じます。頭頂と尾骨が一直線に並ぶよう骨盤と背骨の位置を調整しましょう。頭頂と尾骨で引き合うように意識する事で、背骨の伸びが深まります。脚の付け根を下腹に引き込むように意識すると、骨盤をニュートラルな位置に調整しやすくなります。
3. 手、肘、肩関節の向き
手の中指は真っ直ぐ前方に向くよう手の平を床につけ、肘の内側は向かい合わせにして、肘は外に張り、肩関節は脇を顔に向けるように回します。手首、肘の向きを誤ると、関節故障のリスクがあり、肩関節を脇が外に開く方向に回すと、首が詰まって緊張が強くなってしまいます。手首、肘、肩関節の方向に意識を向けてポーズをとるようにしましょう。
4. 地面を押す力の反作用と下丹田
手のひら全体、足の設置している部分全体で地面を強く押して体を支えましょう。体重が外に逃げると関節を痛める恐れがあります。両手足が大地を押すことで返ってくる力を下腹、下丹田に集める意識で行ってみましょう。
実際にアドムカシュヴァナーサナをやりながらこれら全てを意識するのは大変なので、まずは壁を使った楽な姿勢で確認していきましょう。
壁を使ったアドムカシュヴァナーサナ練習法

- 壁に向かって立ち、両手を腰の高さの壁に添える。手の幅は肩幅程度広げる。
- 足を後ろに歩ませて上体を床と並行にしする、爪先を壁に向ける。
- 中指が天を向くように手首の位置を調整
- 肘の内側同士が向かい合うよう前腕の位置を調整する
- 骨盤は前傾、後傾させずニュートラルな状態を保つ(辛い場合は膝を曲げる)
- 背中はボールを乗せても転がらないよう平らに保つ
- 脇が顔に向く方向に肩関節を回し、肩甲骨を骨盤側に引き寄せる
- 太もも前面と付け根を後ろに引く
- 頭頂と尾骨で引き合う
頭を下に向ける逆転のポーズは、時を逆転させると言われる事もあります。アンチエイジング効果、健康増進効果が大きいのです。アドムカシュヴァナーサナは逆転のポーズの中でも、取り組みやすいポーズ。早速チャレンジしてみましょう!