曰く!これだけ!~井口流合気道の秘伝と雑記〜

謎の達人より学びし井口流合気道の秘伝をちょびっとだけ公開しています。

動く禅 ゾーン/トランス

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ゾーン、トランスに入るとどうなる?

過去三回幸運にもゾーンに入れた経験があるのですが、最も深く入った時は、完全に意識と思考がゼロとなり、時がゆっくり流れる中で最適な動きをしていました。

 

残念ながら一瞬で素の状態に戻ってしまったのですが、最近型の稽古中には実は軽いゾーン、トランス状態になっているのだと気がつきました。

 

そして取り(技をかける側)だけでなく、受け(技をかけられる側)もトランス状態に入ってしまうのだと。

 

今回はなぜ合気道の稽古でトランス状態になるのか?そしてそれが武道の技としてどう使われるのかを紹介致します。

 

ゾーン、トランス状態とは?

催眠状態、変性意識状態とも言われます。催眠といいますと、昭和世代の方には「あなたはだんだん眠くなーる…」と振り子を見せて催眠をかけるパフォーマンスが馴染み深いのではないでしょうか?

 

このように催眠状態に入るには一定リズムかつ、単調な動きが有効ですが、この動きの本質は外部からの情報をシャットアウトし、特定の情報空間に相手を導き、論理的思考力を弱める事にあります。

 

脳の論理的な思考力が弱まると直感が強く働き出すと共に、潜在意識へのアクセスが強くなります。催眠術者はこの瞬間を狙って潜在意識に情報を流すのです。

 

合気道の技術としてのトランス

井口流の合気道でなぜトランス、催眠、変性意識状態になるか、そしてそれを技術としてどう利用するかを説明します。

 

ある目の使い方をすると全体が見えつつも深い集中状態とリラックス状態が両立した状態になります。その状態の視野は極めて広いにも関わらず、余計な情報がシャットアウトされています。

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この時、相対する相手もこちらの状態に引きずりこまれます。その上でシンプルな動きを用いて潜在意識に働きかけると互いに催眠状態に堕ちるというわけです。

  1. 自分が変性意識状態、催眠状態に入る目の使い方をする
  2. 相手もこちらの様子に引き込まれ変性意識状態、催眠状態になる
  3. 単純な動きに釣られて動いてしまう

 

なお、ここで素早く動いたり力んだりすると全てがリセットされます。力んだ催眠術者はいませんよね?脱力が重要な理由はこれです。

 

催眠状態になった相手は、こちらの誘導を受けやすい状態になっています。故に攻撃の焦点を相手に悟られずにズラすことができるのです。

 

これは前回紹介させて頂いた「気を合わせて導く」技にその一端が垣間見られます。相手がこちらの動きに誘導される事で相手の攻撃を捌きやすくなり、こちらは技がかけやすくなるのです

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合気道は動く禅

そして受け取り双方が心法の技術を使えると簡単にゾーン、トランス状態に入ることができます。

 

先週の稽古中、ゾーンとトランスの話になった際、先生の提案で互いに当会の目付け(空間感覚の技術)を使った横面打ちを交互に淡々と行う稽古を行いました。

 

するとあっさりとゾーンの入り口までたどり着いたのです。身体がフワフワし、勝手に技をかけているのです。

 

合気道は動く禅と言われますが、理由が分かった気がしました。互いに特殊な精神状態で動き続けると深い催眠に陥るのです。

 

全体に集中した状態で、周囲の世界を感じながら動き、一つの閉じた世界を形成する。不思議な精神状態になります。

 

ちなみに稽古の際、腕の位置、脚の運び、関節の抑え方等、技をかける上で押さえるべきポイントは無数にありますが、それらを意識、確認すると思考力が高まってしまいます。こうなると動く禅としての効果は得られないでしょう。

 

詳細な動きは動きで別途切り分けて稽古する方が良いですね。 合気道は武道としても奥深いものですが、禅としても奥深いと感じます。

 

ゾーンに入るには

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