曰く!これだけ!~井口流合気道の秘伝と雑記〜

謎の達人より学びし井口流合気道の秘伝をちょびっとだけ公開しています。

愚者は経験に学ぶ 知識だけの技は使えない

学生時代、親や教師から今の内に勉強しておいた方が良いと口酸っぱく言われても、その意味に気がついたのは社会に出てからという方は多いのではないでしょうか?

 

賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶといいます。体感と経験が伴わない技は使えない。そんな話を紹介します。

 

 

言われただけでは分からない

肩甲骨の詳細な使い方は初段以上の秘伝と紹介したのですが、「読んだだけで即実現出来るものではないと分かったから書いてもええで」との事。

 

護身術として単純化した動きは速習できても、知っただけで技として使える人は極まれの様です。

 

 【参考記事】肩甲骨の最適位置

www.iguchiryu-aikido.com

 
知識があるとないとで技の質は大違いです、が師匠の仰る通り、解剖学の観点から細かい角度や関節の位置を書いたとしても、体感が伴った稽古を積まないと武の技として実現する事は不可能に近いでしょう。


含胸抜背(がんきょうばっぱい)、甲腕一致この単語だけで「成る程!この感覚か!」という体験をしないと使える様にはなりません。

 

しかし「体感しないと使えない!」と言い切るだけでは、何のために文章を書いているのか分からなくなるので、疑似体験をする方法を下記に紹介します。身体で学ぶと技に活す事ができるようになります。

 

肩甲骨の使い方を学ぶ一人稽古方法

強固な位置を探るには肩甲骨を色々な位置に動かして壁を押してみる事で確認出来ると思います。カチッとハマった感覚がある位置が最も強い位置です。

 

ちなみに当ブログでたびたび紹介している『究極の身体』で、昔はふーんと読み流していた図が、なるほどこの図が全てや!と驚きました。わざわざ載せてある事には意味があるのですね。強固な型は274ページの馬の骨格図が全てです。

 

弱い位置を探るには自分で色々な方向に腕を伸ばしてその方向に倒されるパントマイムをしてみましょう。意識するのは肩甲骨の位置。スムーズに自然に倒れられる方向が最も弱い型です。 上下左右色々と試してみましょう。ヒントは45度!


【参考】前回紹介したカポエイラにはパオゲームといって相手に地面を踏み込んでもらって、倒れるふりをしつつギリギリで倒れないという遊びがあります。

 
体幹とバランス感覚を鍛えると同時に、倒れやすい方向、倒れないように力を入れている部位を知るのにとても役立つゲームです。

 

力のいらない護身術でも努力はいる

私たちの井口流合気道護身術(IAM護身術)は力を使わない護身術をうたっています。これは努力が要らないという意味ではありません。


護身術の技は動きを単純化する事によって速習出来るように体系化されています。知っくだけでも、いざという時に役立つでしょう。

 

しかし、合気道の技の中に落とし込んだり、臨機応変に様々なケースで瞬時に使えるようになるには体の正しい使い方を脳と体に染み込ませる工程が必要です。

 

かくいう私は3年近く稽古していますが、まだまだ合気の技に落とし込みきれていません。


武道の上達には素直さが重要と言います。理論を知り、道場で体感しても「今まではこうだった」という思い込みが消えるまでは技は使えるようにならないのです。力をぶつけてしまったり、脚力を使おうとしたり、無駄に稼働部を増やしてみたりetc...

 

特に敵と相対した時、今までの思い込みを捨て、合気の動きを使う為には、絶対的な無関心と詳細にみる観察力を両立させて余計な事をしないようにする必要があります。これが本当に難しい。

 

私は努力が好きではないのですが、こればかりは努力せざるを得ないようです。

 
賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶと言います。賢者は極一握りしか存在しません。素直に愚者である事を認めて経験を積むしかないようです。

 

経験とは己と対話する事。この積み重ねで見える世界が変わります。