曰く!これだけ!~井口流合気道の秘伝と雑記〜

謎の達人より学びし井口流合気道の秘伝をちょびっとだけ公開しています。

陰の技術 ~魂が抜かれるような合気道の技~

陰の技術

骨の技術(物理学)の基礎である、陽の技術と陰の技術は、運動エネルギーの方向によって次のように定義されます。
 
  • 陽:重心が動く方向と相手に与えるエネルギーの方向が同じ
  • 陰:重心が動く方向と相手に与えるエネルギーの方向が
 
体全体で相手の懐に入りつつ、腰を後ろに引いて生じたエネルギーを腕を通して相手に伝えて崩したり、小手返しで、相手の手首をひねる方向と逆方向に自分が移動してそのエネルギーを利用したりする動きは陰の技術となります。

 

ちなみにクラブマガというイスラエル軍の近接格闘技で、銃を突き付けられた時の対処法という動画を観ていたところ、陰の三式が使われていました。陰の三式とは自分の重心を落下させ、反作用である上方向へのエネルギーを腕から伝える動きです。

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(一式=前後、二式=横回転、三式=上下、四式=頭の振り(上丹田))

 

合気道の極意 情報遮断

陰の技術を使う際、筋力で力を伝えるのではなく「重心移動で作られたエネルギーを流す」という意識で動くと、無駄な力みが消えるとともに、相手に動きが悟られづらくなります。
 
合気道の極意は「情報の遮断であると師匠はよくおっしゃっています。
 
筋力でどうにかしようとすると肩や脚に力が入りますが、人間の目は我々が思っている以上に高感度なのでわずかな力みでも感知できています。
 
相手はたとえ意識できていなくとも無意識領域では感知できているので、力みを伴う動きには反射的にで対応、反応できてしまうのです。
 
一方、”重心移動で作られたエネルギーを流す”という意識で動くと、力みが消え、相手が感知する前に接触点から突如運動エネルギーが伝わるため、反射で対応できなくなります。
 
その結果、いつの間にか体制を崩されてしまい、何が起こったかわからなかった、と感じるというわけです。これが合気道の妙技です。
 

陰の一式のやり方

重心を後ろに引き、そのエネルギーの反作用を前方に押し出します。f:id:dice-k-13110:20170521213650p:plain
 
さて、「運動エネルギーは接触点からのみ伝わる」と過去紹介しました。そうであれば、当然地面からも反対方向のエネルギーが伝わるはずです(反作用)。
 
しかし最初の頃は作り出したエネルギーを相手に伝えるという意識が重要なのであえて記載していません。
 
(2009.2.10追記)あえて反作用の方に意識を向ける秘伝が存在します。その効果を紹介したいところですが、二段以上の技術、奥伝に相当するので公開を禁じられております。申し訳ありません。
 
 

余談 ~磨かれる感覚~

先週の稽古にて、先生から

「合気道とは自分勝手な武道である。自分が世界の中心にならないといかん。」
「相手に与え、相手が動きやすいように動いてあげる。けれど世界の中心は自分。」
「与えると同時に与えられている。」といったことを習いました。
 
昔も似たようなことを聞いたときは全く理解できませんでしたが、今回は、「なるほど確かにその感覚だ。」と思うことができました。自分の感覚や、動きが磨かれていく感覚はとても楽しいものですね。