曰く!これだけ!~井口流合気道の秘伝と雑記〜

謎の達人より学びし井口流合気道の秘伝をちょびっとだけ公開しています。

天秤はわずかに傾けば下まで落ちる 天地投げのコツ

ふんわりと相手を転がす事こそ合気道の醍醐味なり。しかし筋力を使うと固くなる。使わないと転がせない。どうすれば・・・ 答えはバランスを崩してその流れを切らさないようについていくだけ。今回は投げのコツについて紹介します。

 

 

崩しは1cmで充分

相手を投げる際にやってしまいがちなミスは、大きく体勢を崩そうとする事。たびたび本ブログで触れている通り、実はただ立つという動作は非常に高度な行為。mm単位、μm単位で姿勢制御されているので、1cmも重心位置を崩されると人は倒れます。

 

そうは言っても相手を崩そうとしたり、投げようとしたりしても踏ん張られてしまうのはなぜでしょうか?そこには二つの理由があります。一つ目は自分と相手が一体化していないから、二つ目は余計な事をしすぎているからです。

 

天秤を釣り合わせる

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一体化について。人は外部からの力には敏感です。人に触られると「何かしようとしているな?」という感覚は接触点から伝わるので、相手は瞬時に重心位置を調整して対応してきます。

 

対して人は内部の力には鈍感です。肩こりや腰痛の原因の多くは、余計な力や緊張を肩や腰に掛けているからです。しかし「今、自分の身体に力が入りすぎているなぁ」とか「今腰回りの筋肉が緊張しているなあ」とリアルタイムで観察できる方はそうそうおられないでしょう。

 

まずは自分の身体だけでなく、自分と相手の二人でバランスを維持した状態、天秤が釣り合った状態を作ります。その状態で自分が動くと、均衡を保つために相手は動かざるを得ないのです。

 

余計な重りを載せない

自分が動くという事は天秤の皿を少し傾けるという事。自然に反対側の皿は動きます。釣り合った天秤は、片側に羽毛ほどの重さでも乗せてあげると自然に動き出します。

 

ここで良くやるミスは、動き出すのが待てずに新たに重たいおもりを載せてしまう行為。投げがうまくできなくなる二つ目の理由、余計な事です。

 

じわ~っと気持ちよく動きかけているのに、おもりが追加されると衝撃が走り変化が生まれます。外部変化には敏感なのが人間の身体。「そっちがおもりを載せるならこっちも載せる!」と再び均衡状態へ。

 

余計な事をしなくても絶妙なバランスで釣り合った天秤はほんの少しの力だけで傾きます。動き出した後はそのままついていくだけです。

 

 

おまけ:自分の中の天秤

天秤のイメージは自分と相手だけの関係ではなく、自分自身の両手両足についても言えます。

 

合気道の技は基本的に両腕で行うものが多いです。片腕だけ動かしてやると腕以外の部位を動かして自身の重心バランスを保つ必要が出てきます。

 
重心バランスを維持するには腕の重さと位置に応じて、肩やら腰やら腕やらを適切な位置へ…難しいですね。

 

自分の中の天秤を釣り合わせる事に複雑なことをしていると、相手と二人でバランスをとることにまで脳のキャパを割きづらくなります。


しかし、もう片方の腕を動かしてバランスを保つには?答えは簡単。左右対称。これだけ。軸の位置を考えたり他の部位に意識や力を入れる必要はありません。

 

技は複雑に考えるよりもシンプルに。棒人間で考える位がちょうどよく、上手くできます。

 

投げのコツ

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