曰く!これだけ!~井口流合気道の秘伝と雑記〜

謎の達人より学びし井口流合気道の秘伝をちょびっとだけ公開しています。

接触点を中心として舞う ~小手返しは小手先でやらない~

温故知新

最近の稽古は、陰(力を伝える方向と重心移動が逆の動きをする技術の総称)の比率が高く、基礎技術の復習が多くなっています。しかし復習であるがゆえに、細かい点に感覚を研ぎ荒ませることができて新たな発見があります。

 
また、習得済の技術はじっくりイメージトレーニングをすることで、「ここが本質か!」と気づくことも多く、復習の大切さ、一人稽古の大切さを身に染みています。
さて、本日は陰の稽古の復習をしていて気が付いた点を紹介いたします。
 
 

小手返しは小手先でやらない

小手返しを知っている相手や、過剰に逆らおうとする相手には小手返しが綺麗に決まらない事があって、色々試して苦労してきました。

 

本日苦労していた原因は「接触点を動かそうとしない」、「自分が動いて相手が動いたら合わせてあげると同時に導く」という本質を失念していたことがだと分かりました。

 

傍から見ていると捉えた点を中心に動いているのですが、「小手返しをやろう」という意思が強すぎていまだ腕力を使っていたのです。


腕は相手にエネルギーを伝える架け橋。意識も相手に伝わりやすいので、腕で何かしようとしたり腕の筋肉に緊張が走ると、相手に察知されて反射神経や運動神経で対応されてしまいます。
 
合気道は相手の気に合わせて一体となって動くことが重要です。捉えた小手を中心に舞い、そのエネルギーをそのまま流すだけであり、腕を使うのは相手が崩れた後のフォロースルーに過ぎません。まずは自分が体全体で動くことが最優先という事です。
 
帰宅中にはっと気が付いたことなので、実際に試すことはできませんでしたが、他の技術に関しても同じことが言えます。
 

陰を使って相手を崩す(収縮と膨張)

例えば、相手を引き寄せつつバランスを奪って倒す稽古(図1)でも、相手を引き寄せようと思わず動いています。ただ自分の重心が前方へ移動するベクトルと、後方へ相手が向かうベクトルが釣り合うように動きます。

 
なお、この場合の中心とは自分と相手の中間になります。この中心に対し、自分の重心と相手との接触点を収束させる意識で動くと「引き寄せよう」という意識が相手にばれなくなり、自分も相手も無意識のうちに中心へ近づきます。体が勝手に動く感覚です。

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合気道は自分中心かつ相手に合わせる

上記の技術を使っていると「相手をどうにかしてやろう」と考えていないことに気が付きました。振り返ってみると、先生の指導も相手をこうしろああしろという内容は含まれていない気がします。

 
自分が完全な動きをすることで相手がつられ、つられた相手に合わせてあげる。相手と接触した後は、自分の世界に入り込んだ方が技は効いていると思います。合気道が「動く禅」といわれるのもわかる気がします。
 
(2009.02.10追記)自分の世界に入り込みながらも相手を尊重しつづける事、相手の状態に合わせた互いが自然に感じられる位置へ己と他者を置く事が重要。禅も自己沈潜しつつも外界の刺激には敏感になっています。一人の世界にいながら他者と合わせたとき、ただ自分の世界に入り込んでいる時よりも技は効くようになりました。