曰く!これだけ!~井口流合気道の秘伝と雑記〜

井口流合気道の技や考え方を紹介しています。

動かない動きによる合気道の幻惑 柱の平行移動

1. 動作の起こり方

友人から護身術のDVDを頂きました。ちょうど前回、前々回書いていた動かない事に関係する内容が含まれていましたので、今回も動かない事の話をしたいと思います。

そのDVDでは相手の動きに対処するために、そもそも人間の動きがどのように生じるかという説明がありました。

曰く。人間の動作は、最初に意識操作がおこり、意識の方向に重心操作をし、最後に手や足の身体操作が行われることで形作られるとの事。

つまり、相手を制する際、手足等の末端ではなく、重心、更に踏み込んで意識が変化する瞬間を捉えて備えることが出来れば、余裕をもって手足を制する事ができる事が出来るという訳です。

 

さて、武道や格闘技を続けていると、人のわずかな重心移動も察知できるようになり、徐々に相手が発する気、気配もなんとなく感じるようになってきます。故に、我々は「いかに意図を隠すか」という事を重視します。

意図を隠すというと、相手をかく乱するステップを入れたり、フェイントを入れたりといった事を想像される方もおられるかと思います。ところが動かない方が意図は隠れやすいのです。

 

 

2. 意図を隠すために動く場所を減らす

以前、中達也先生の高速追い突きは、中心軸以外に二本の軸を左右に作り、それら三本の軸の位置関係を変えることなく移動しているが故に感知しづらい、という話を紹介しました。

動きに変化がなければ読みようがない。ポーカーで勝つためには相手に意図と感情を読ませないポーカーフェイスが肝になる。ではどうやって動きを隠すのか?

 

一つの方法は、上中下丹田を一本の柱(正中線とかセンターとか呼ばれるもの)の上に並べ、柱を傾けることなく平行移動する事です。そして身体の各部位の動きは最小限に抑える。これが相手から見ると気味が悪い。これは先ほど紹介した高速追い突きにも使われています。

 

先のDVDでは、意識操作→重心操作→身体操作の順番に動きが生じると説明していました。柱の平行移動は上中下丹田が揃っているので、上下の重心移動がない。もし明確な意を発してしまったとしても、相手から見ると、意識操作→身体操作の順番で動きが生じたように見えるので、対処しづらい動きになるのです。

理想は気も察知させない事。これぞ達人!といった境地ですね。熟練者の方と相対すると、幽霊がすっ…と現れたかのように間合いに入られるので、ゾッとします。

幽霊を想像してみてください。足がないので重心が上下にぶれずに平行移動、そして生気を感じない・・・完璧ですね。

 

3. 相手に動きを感知させない為には

曰く!霊の如く!これだけ!