前回に引き続き、リクドウというヤングジャンプにて連載中のボクシングマンガで、合気道の極意に関連する事が出てきました。以下、今週号の内容に触れるのでネタバレご注意ください
ジャブの出だし
世界タイトルマッチに挑む挑戦者、椿の過去回想。キッズの部の入門初日、他の子どもたちは思い思いにサンドバックをたたく中、真面目にジャブを行っていた挑戦者に元世界チャンピオンの会長が声をかけ、形になっていると褒めます。すると
椿「ぜんぜんです・・・パンチの”出だし”からもうちがう・・・ような・・・チャンピオンみたいに打てないんです」
会長「パンチの始まりなど・・・気にしたら永遠の課題になりえるぞ。」
と言いながらもポンと優しく頭をたたき、「君の完璧はどこまで深いのやら」と幼い椿の将来に期待を寄せるようなシーンで回想が終わります。
場面はタイトルマッチに戻り、椿の一打を見た会長は思います「お前のパンチの始まりは”視線を向けた瞬間”にまで至った」「完成に達した」と。
パンチの”出だし”は? 答えは視線でした。
視線のフェイクなく相手を惑わす合気道の当身
打撃は目から始まる。これを知っている人達は視線のフェイクを使って相手を惑わし、隙を作ったり動きを誘導したりしてパンチを撃ちこむといった、高度な駆け引きを行う事があります。
対して合気道の当身は少々趣が異なります。スピードはボクシングや空手には到底かなわないものの、感知されにくい打撃を放ちます。「気が付いたら目の前に手が!」というものです。なぜか?それは始まりが違うからです。
そして感知されにくい打撃・当身ができるようになると、相手の動きに対するセンサーの感度も高まって聞います。視線の変化よりさらに極微妙な変化の起こりや、相手の気配を察知できるようになってくるのです。
【参考記事】
感知できない当身の出だしとは?
曰く!出だしなどない!これだけ!