曰く!これだけ!~井口流合気道の秘伝と雑記〜

謎の達人より学びし井口流合気道の秘伝をちょびっとだけ公開しています。

ストレスを感じさせずに制する ~井口流合気道 皮膚感覚の技術~

今回は井口流合気道の根幹をなす4つの技術の一つ、皮膚感覚の技術を紹介します。

 

変化はストレス

人は変化に対してストレスを感じます。例え良いことであっても。また自覚がなくとも身体に反応がでてきたりします。

その原因は人に備わっている恒常性(ホメオスタシス)という、環境が変化しても体の状態を一定に保とうとする性質です。この性質ゆえに人は変化に対してある程度ストレスを感じるようにできています。

さて、井口流合気道では人体の感覚と生理反応を利用した技術を、皮膚感覚の技術と呼んでいますが、この技術は「相手に変化を感じさせず」「何が起こったかわからない=ストレスを感じさせない」まま相手を崩したり倒したりする技術となります。

 

www.iguchiryu-aikido.com

 

変化を感じさせなければ自然に倒せる

人の触覚は非常に敏感です。相手と触れ合っている状態で力が変化すると、即座に感知し、さらには意図の変化すら無意識下では感知しています。

したがって相手を倒そうとして力を変化させると、相手に察知されてしまい抵抗にあうのです。

例えば合気道の正面打ち/突き入り身投げでは、相手の腕を止めたのち背後を取って相手を落とします。この時、相手を崩そうと腕を引っ張ったり、肩を押し下げたりしようとすると力の変化を感知されます。こうなると相手を倒せたとしても、「やられた!」とストレスを感じさせてしまうのです。

対して力の変化を伴わない、皮膚感覚の技術を使用すると、手は「訳が分からない」まま「力を感じないまま」倒されます。皮膚感覚の技術の肝は「変化を感じさせない」という点です。

 

皮膚感覚の技術の基礎

変化を感じさせないために相手との接触点の圧力を変化させずに触れたまま移動し、重心移動で発生した運動エネルギーを一定かつゆっくり伝える事で相手を崩します。このエネルギーの伝達は「気を流す」という感覚に近いものがあります。

 

【参考記事】

www.iguchiryu-aikido.com

 
実際には力を変化させないだけでなく、こちらの意図を隠す要素(目付、体捌きなど)や、心理学的な要素が皮膚感覚の技術には含まれています。

 

為す無くしてしかも為さざるは無し

「何もしないことによってこそ、全てのことがなされる。」という言葉が中国の思想書、兵法書である道徳径にあるそうです。皮膚感覚の技術を端的に表現すると、まさにこの言葉になります。

 

何もしていない…ように感じさせて、目的を達成します。淡々と動いて気を流すだけです。

 

皮膚感覚の技術とは

曰く!変化を悟らせず流す!これだけ!