曰く!これだけ!~井口流合気道の秘伝と雑記〜

謎の達人より学びし井口流合気道の秘伝をちょびっとだけ公開しています。

脳が止まれば身体が動く ~無意識の力を利用した合気道~

「無意識の動きが最適の動きだった。」スポーツや格闘技をやっていて、そんな経験をした方も多いと思います。体に染みついたものの中からその状況に応じた最適な動きを脳が引き出してくるわけですが、そもそも無意識とはなんでしょう?

無意識とは?

NLP(神経言語プログラム)では、無意識とは身体感覚に深く根ざしたものであると言われています。その逆に意識とは思考であり、言語であると。

  • 意識=思考=言語
  • 無意識=身体=感覚

 

無意識とは、思考が頭にない状態、身体感覚が優位な状態と言い換えることができそうです。

 

思考が頭にないとと動きはどうなる?

あるジャズピアニストの即興演奏

たままた病院の待合室で読んだ雑誌に興味深い記事がありました。コンサートで最長2時間の即興演奏をするキース・ジャレットという方がいるそうです。その方は次のように言っています。

「自分の音楽が同形づくられるかを説明するのは不可能です。いったん聴衆を前にすると、意識的に頭の中から音を締め出し、ただ無心に鍵盤に指を走らせる。脳の指示を完全に無視して見えない力にすべてを委ねます。その力には感謝するのみです。」

 

練習や理論学習で脳にしみこませた情報が無意識下で洗練され、外の世界に開放され、創造的かつ最適な動きがもたらされるのではないでしょうか。

 

無意識下の動きを合気道に応用

キース・ジャレット氏の即興演奏はまさにゾーンであり、トランス状態です。ゾーンに入れば自らが最適な動きができるのはもちろんですが、井口流合気道では相手の無意識も利用します。

秘伝は普通の格闘技や武道にはない感覚なので、相手は混乱し、思考が一瞬停止します。すなわち身体感覚が優位な状態、無意識が優位な状態になります。

そして無意識が優位である人の腕をとって技をかけると、楽に腕が曲がる方向へ簡単に導くことができるのです。

 

楽に曲がる方向へ曲げるという技は骨格構造や物理学を利用する=骨の技術ですが、この技術に、心理学を利用する技術=心法を潜ませることでさらに技がかかるのです。

 

なお楽に曲がらない方向へ曲げようとすると違和感があるので、意識が蘇ってしまいます。よく稽古でやってしまうミスです・・・

更に過去の記事で紹介した通り、無意識が優位になる、潜在意識が優位になると催眠状態に陥りやすくなるので、さらに心法がかけやすくなるという正のスパイラルに

 

どうやって無意識優位の状態になるか?

トイレやお風呂でのんびりしている時、会社や学校の帰り道でぼんやりしている時、ハッといいアイデアが閃く、という経験をした事はないでしょうか?直感と呼ばれるものも、思考が止まった時や緩やかになった時に働きます。これも無意識優位であるが故です。

 

すなわち、「思考を止めて小難しいことを考えない」事で無意識優位の状態になれるのです。そして相手を無意識優位状態にするには、思考させない=情報を与えない事が必要となります。

 

注意!思考と感覚のすみわけ

日々の稽古では思考をフル回転させ、研究しながら取り組む必要があります。闇雲に取り組むだけでは技術は身につきませんし、ひたすら努力するという悪しき根性論にもつながりかねないので、深く考えながら稽古する事が必須です。

積み上げたものがあるうえで、ここぞという時に無意識になる。キース・ジャレット氏の言葉を借りれば「見えない力にすべてを委ねます。その力には感謝するのみ。」です。