曰く!これだけ!~井口流合気道の秘伝と雑記〜

謎の達人より学びし井口流合気道の秘伝をちょびっとだけ公開しています。

剛の塩田師範と柔の井口師範

柔の感覚を出すには

合気道の技を受けると下記の二通りの感じ方があります。一つは「やられた!」という感じ方、もう一つは「ふんわりとして何が起こったかわからない」という感じ方です。
 
合気道の達人では塩田剛三師範が非常に有名ですが、塩田師範は一つ目の「やられた!」という感じの技を好んでいたそうです。そして井口師範は「何が起こったかわからない…」方の技を好んでいたとか。
 
井口流護身術・合気道では両方の技術を学んではいるものの、やはり井口流を掲げているので二級以上の稽古で中心となるのは、「ふんわりとしていて何が起こったか分からない」系統の技術になります。
 
では、何が起こったか分からないという状態は、どのよう作られるのでしょうか?
それは「情報の遮断」により成されます。相手は情報が得られないがゆえに「何が起こったか分からない」と感じるのです。
 
 

情報の遮断 ~意識を変える~

情報を遮断するにはいくつかのやりかたがあります。初段以降で稽古する心法の技術(心理学)では、相手への情報を遮断する為に自らも騙すべく、ある概念を使っています。その概念とは”気”です。
 
突然「気」という概念が出てきました。「やはり合気道はオカルトか」という声が聞こえてきそうですが、気の存在有無はこの技術を使う上で重要ではありません。
 
重要な事は気が流れているという意識で技を繰り出すことにより、自らの意を読ませなくさせる事なのです。
 
人間の感覚とは非常に敏感で、優れた職人は物を触って0.1mmの厚さの違いが感知できるといいます。
 
座り技呼吸法の稽古で、相手の腕に触れた状態で相手が何かしようとした場合、相手が職人や達人でなくとも、「なにかしてくるな」と無意識に感じる事ができる程、人体のセンサーは敏感にできています。
 
一方、中丹田から気が流れる概念を使って技を繰り出すと、相手は何か来ると感知することなく力を伝達されてしまい、訳が分からないうちに倒されることになります。
 
相手は不意打ちをくらったようなものなので、使い手に筋力や瞬発力がなくとも、相手を制することができるのです。不意打ちを喰らった相手は「何が起こったかわからない・・・」という状態。体を思い通りに動かす事ができないまま制されてしまいます。

「やられた!」という感覚は、敢えて相手に違う情報を与えたり、情報と行為にズレを起こしたりすることで感じさせることができるのだと思います。不意打ちに対して、こちらはフェイントにかけられたような感覚ではないでしょうか。
 

情報遮断の稽古

稽古の一つに正座した状態で上から手を押さえつけられ、その手を持ち上げて返すという稽古があります。この稽古は骨の技術(物理学、人体構造)、皮膚の技術(生理学)に加え、実は情報遮断の技術へと繋がる、心法の技術をつかう感覚を養う稽古にもなっています。
 
腕を上げて押し返す際、ある位置、ある方向へ荷重を加える事を意識し、腕を上げているのですが、これは相手への情報を遮断するとともに、自分の意識も別の場所に外すことによって、意を悟らせない効果も含んでいるのです。
 
 

まとめ

今回は備忘録もかねて、初段、二段の技術について紹介させて頂きました。
井口流で使われる気とは、相手と自分を騙すため、情報を遮断するため、使われる概念と言えます。

 

井口流に興味を持たれましたら、お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。稽古日時などの詳細はこちらをご参照ください。
楽しく読んでいただけていたらとても嬉しいです。