一人稽古法

武道が上手くなりたいなら鏡で動きを見るな

Mirror

武道や格闘技の練習で鏡を使ってフォームチェックを行うのはお勧めしません。その理由は二つ。一つ、人は自分の見たいものを見る生き物で、ありのままを見る事は出来ないから。一つ、意を発する癖がついてしまうから。フォームチェックをするなら、鏡ではなく動画に撮って行いましょう。今回は鏡を使った稽古について紹介します。

鏡は嘘をつく

人は動き出す直前に「動こう」という意が先に出ます。イメージを先に描いてから動き出すのです。動きながらフォームチェックをすると、ありのまま観ているつもりでも、無意識レベルではイメージを重ねた動きを見ているので客観的に動きの分析ができないのです。対して、録画した動作を見る時は、動きを伴わないのでイメージを重ねる事なく、自分の動きをありのままに見ることが出来ます。

動くときは身体の感覚に集中。目で情報を得ようとはしない事です。目で客観的に分析するのは時間をおいて、自分の意が入らない状態になってから。ありのまま物事が見えるという方は悟りの境地に至っています。それほどに、ありのままを見るというのは難しい事なのです。

相手に動きを読まれないために

鏡を使った練習では動きを見よう見ようとしてしまいます。観察力を高め、相手の僅かな挙動から意図を読み、一手先を行くといった方向のスキルを磨く場合には有効な練習です。その反面、意が強烈に出る目の使い方になってしまう恐れもあります。そして意が出てしまうといくら動作を小さくしても、経験豊富な相手には「何となく」読まれてしまいます。

更に、肉体のスピードを高めるのは限界があります。いくら鍛えても結局の所、使うのは同じ人間という動物の身体なので限界が来ますし、大きな差はつかなくなってきます。そこで古武道では如何に感知されないかという点に重きを置いています。

鏡の項目で触れたように、人は動き出す時は意が先行して動き出します。意を外に出さないようにするのが相手に動きを読まれないための第一歩。そのためには、見る事無く写す目を習得する必要があります。これをIAM護身術では「人形の目」と呼んでいます。

合気道秘伝の目付 周辺視野で捉える「人形の目」合気道および護身術を使う際、覚えておくべき重要な事の一つが情報遮断。どんなに強く速く動けても、情報が相手にダダ漏れの状態では対処されてし...

 

人形の目に慣れてくると意を出さず動くことが出来るようになります。これが相手から見ると気持ち悪い。どこにも焦点が合っていない目。何を考えているかわからない相手程やりづらいものはありません。(目付の稽古中に言われる「気持ち悪っ!」は誉め言葉。)

相手に悟られない動きを身につけるためにも、動きを凝視する稽古、鏡を見て行う稽古は避けた方が無難です。

観察力より感知力

動きながら、相手を観察し、動きを読み、最適な動きを選択するという一連の作業は一般人にはハードルが高い。そして脳を高速回転させる必要もあるのでおっさんには辛い。

そこでIAM護身術では観察力ではなく、感知力を高める稽古を行っています。見る事無く写す人形の目。周辺視野で相手を捉えると、論理的な分析や思考は止まってしまう反面、動きに対し敏感に反応することが出来るようになります。

そして動き出す前に意が出る事もありません。意を発さないとは達人の所業のように聞こえますが、見ない稽古を積むことで誰でもできるようになる単なる技術です。

上手く体を動かす秘訣は?

曰く!Don’t look. Feel,これだけ!

 

体をイメージ通り動かす練習法
体をイメージ通り動かす練習方法01IAM護身術では、身体強化や複雑な動きを習得するための稽古ではなく、身体感覚の鋭敏化、無駄な動きを減らすための稽古を主体に行っています。...