空間感覚の技術(心理学)

合気道の歩法 星の軌道

己の身体を貫く軸を意識する事で身体が安定するのは良く知られています。実は軸は相手と自分の間にも存在します。そしてその軸を意識した歩法を使うと、相手を幻惑し、攻撃を思い通りに出せなくすることが可能です。

その軸とは?天体の軌道に答えあり。今回は井口流合気道護身術、空間感覚の技術の一端について紹介します。

無視して調和

合気道は相手と間合いを保つ時、接近する時、素早いフットワークを必要としません。ゆったりした動きで幻惑して間合いを保ち接近します。脚力やスタミナが要求されないのもおっさんには嬉しい所。ではどうやって相手を幻惑するのでしょうか?ズバリ、相手を無視して相手と合わせる歩き方をするのです。

普通は相対する相手をしっかり見て観察し、フェイントや牽制を駆使して、注意をそらしたり隙を作ったりしつつ間合いを維持したり、間合いに侵入したりします。相手と情報のやり取りをして出し抜くのです。これには戦略的な思考、もしくは天性のカンが必要です。

対して合気道式は、情報のやり取りを拒否します。相手は無視。代わりに相手と自分の間の空間に存在する軸を中心に回る。動きはこれだけです。

連星の軌道

連星軌道

二つの恒星が互いの重心の周りを軌道運動する天体を連星(双子星)と言います。合気道の歩き方はまさにそれ。相手と自分の間にある軸を中心に回転するのです。

更に「ある意識※」をもって回転する事でより深い幻惑状態に入る事が可能となります。(※:心法となるため道場外で公開できず)

連星の歩みをしている時、意識は相手になく、相手と自分の間の空間にあります。これが相手には気持ち悪い。

(余談)私は体験入門の際、ボクシングをしていたという事で「じゃあ撃ってきてください」と師匠に言われました。しかし一発も当たる気配なし。上記の歩法を使われ、船酔いしたような状態になってしまいました。

彗星の軌道

彗星軌道

相手に接近する際は彗星の軌道になります。星々の軌道を決めているのは重力。どこかに回転軸が存在します。相手に近づいているようで実は近づいていないのです。

ただ軸を中心に回転している。その結果近づく。そういった接近の仕方をします。上手くできた時は相手に向かって螺旋を描きながら落下しているかのような感覚があります。

連星の歩み、彗星の歩みはどちらも、相手を無視しつつもその動きは相手ありきの軌道です。自分一人では重力は働かず、軸はありません。

相手でも自分でもない空間に感覚を向けて歩む歩法。これが井口流合気道護身術の使う空間感覚の歩法です。

残念ながら私はまだまだ強者相手には実現できない時があります。最近、門下生の方で極真空手黒帯保持者の方が最近容赦なく攻撃してくるのですが、いくら目で相手を無視していても、「直撃したら怪我しそうだ…」と心が無視できていないと、技がかからないのです。

その逆に、調子の良いときは疑似トランス状態になって上手いこと技がかかります。相手だけでなく自分すら無視。星のように無心で流れに任せる事ができれば成功率が上がるのでしょう。修行修行!

合気道の歩法とは?

曰く!星!これだけ!

 

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