護身術:攻撃

「人は簡単に倒れる」合気道の秘伝 皮取り

人は簡単に倒れる合気道の秘伝皮取り

「人は簡単に倒れる」二年ほど前、兄弟子が稽古中につぶやき、その言葉を聞いた師匠は兄弟子に二段審査を受ける許可を与えました。

二足歩行は非常に高度な身体操作の上に成り立っています。ただ立つことも然り。ロボットをスムーズに歩かせるだけで膨大な数のセンサーが使われ、複雑なプログラムが必要となります。

複雑なものはほんの少しでも均衡状態が乱れると瓦解します。二足歩行も然り。体内の情報がわずかに乱された状態で、簡単な力を加えられただけで人は倒れるのです。本記事ではその一例を紹介します。

冷蔵庫を楽に倒す方法

人を倒す方法と言われてしまうと小難しい理屈を考えがちです。その結果、本来倒しやすい方向に倒しやすいように力を伝えれば倒せるのに、無駄な方向に無駄なエネルギーを使ってしまう事になってしまいます。

もっとシンプルに考えましょう。重たい冷蔵庫をひっくり返す事を想像してみてください。どうやったら最も楽に倒せるでしょうか?

答えは簡単。後下側の地面と接している点を支点として回転させてあげるだけ。では人の場合は?やる事は同じです。かかとを支点にして回転させてあげるだけ。 

しかし人の身体は冷蔵庫とは違って多くの関節がクッションになり、バランスを維持しようとします。稽古では簡単に倒せても実際には技として使えないのではないかという懸念が残ります。

これに応えるのが合気道の秘伝の一つ「皮取り」です。皮を取ることで相手を金縛り状態にして人体を冷蔵庫のように固めてしまいます

力を封じる合気道の秘伝 皮取り
相手の力を封じる合気道の秘伝 皮取り合気道の醍醐味の一つは「力を使わずに相手を制する」事。前回までに紹介してきた運動エネルギーを伝える技法、陽の技術は筋力ではなく重力を活用...

倒そうとしても倒れない

金縛り状態とは身体だけでなく思考も停止した状態です。この状態を作るには、「倒してやろう」「技を使ってやろう」という意思が最も邪魔になります。「あぁこいつ技を使おうとしているな」と相手に感知されてしまうと脳が働いて思考停止からは遠ざかってしまうのです。

淡々と近づいて何気なく技をかける。これが合気道と護身術の技にとって必要不可欠の要素です。そしてそれを実現するには、「人は簡単に倒れる」という自信が必要です。複雑な事をやろうとしていると思ってしまえば、身体も脳も力みます。そして「やってやろう」としてしまいます。あくまで自然の流れで動く。これが秘訣です。

それを実現するためには意識を別の点に逸らす事が有効です。人を倒そうと考えるのではなく、箱を倒そうと考える。腕力で押し倒すのではなく、体を移動させる力を腕から伝える意識で体を使う。発想の転換をすることで、力みを消して自然の流れで動くことが出来るようになります。試してみましょう。

人を倒すやり方は?

曰く!棒倒し!これだけ!