護身術:攻撃

気のラインと天地軸

気のラインと天地軸

三本の気のライン

力づくではなく流れるように相手をいなす合気道の技。技に力感がない理由は、視線誘導をはじめとした心理学に起因するところも大きいのですが、身体に余計な力みが入ることなく、効率よく体を操作できる空間線を通って技を出している事も理由の一つ。

IAM護身術では、この力感なく技がかけられる空間線、力が最も発揮できる空間領域を「気のライン」と呼んでいます。気のラインは下記の計三本存在します。

  1. 正中線(体中心を貫く一本の線)の前方、拳2~3個分の距離
  2. 左胸の中心前方、距離は同じく拳2~3個分の距離
  3. 右胸の中心前方、距離は同じく拳2~3個分の距離
三本の気のライン

一教で相手を崩す時、二教で相手の手首を極める時、三教で相手の手首をねじり上げる時、etc…全て気のラインを通るように技をかけると、自然と腕力ではなく体を統一して相手を導く動きになるので、自分も相手は自然に体が動いたように感じます。

心理的盲点をつく「陰の気のライン」

ボクシングのフリッカージャブは読みづらいと言われています。腕を下げ、拳を身体の反対側(左拳なら右腰あたり)に構えて、その位置から打ち出すジャブです。

上記のポーズをとってみると分かると思うのですが、力が入りづらい姿勢です。それが良い。そして拳が相手から隠れるのが良い。

その構えを見た相手は本能的に「相手は力は入らない姿勢だ」→「力強い攻撃は来ない」と感じます。そこから振り子のように腕を振って打ち出す。そして下から上という見えづらい軌道。これが効果的なのです。

さらに合気道の当身ではもう一工夫こらします。半身の構えで相手から遠い側の気のラインを「陰の気のライン」と呼んでいます。このラインに拳があると、やはり相手は本能的に安心します。

そこで前方移動しつつ、陰の気のラインに沿って自然に拳を上げ、移動で生じたエネルギーが拳に伝わった瞬間、陰のラインから突如出現させると、非常に読みづらい動きとなるので相手は反応が遅れます。

陰の気のライン

道場で師匠にやられた時の動画を見てみると拳のスピードが遅いのがまた面白い。自分が喰らっておきながら「これは避けれるだろ?八百長?」と思うような反応をしています。

天地軸

文字通り天地を繋ぐ軸であり、頭頂のくぼみ(百会)と尾骨を貫く一本の軸です。背骨を真っすぐに立てる事に集中すると、意識が腕や脚ではなく軸に向くため、腕や脚の初動から漏れる意が減って相手の反応が遅れる効果もあります。

例えば座り技呼吸法の際、持たれた腕にかかる力は無視して、天地軸にかかる力の変化を感じつつ腕を上げます。腕を上げていけばその反作用で下向きの力がかかるので、軸には下向きの圧がどんどん高まっていきます。その圧を高める事に意識を集中してみましょう。

人間の手のひらは非常に敏感。接触点の僅かな変化から無意識レベルではあるものの、相手の意図を感知しています。意識をつかまれた部分ではなく天地軸に向けていると、接触点から意識が伝わってこなくなるので、相手は反応が遅れてしまい倒れます。

気のラインも天地軸も、人体操作だけでなく相手に情報を隠すという事に本質があるのです。

気のラインと天地軸とは?

曰く!情報遮断!これだけ!