護身術:攻撃

合気道の技:螺旋式一教

螺旋式一教

「曰く!気の流れ、呼吸力、螺旋形、これだけ!」井口師範は合気道の極意をこう語ったそうです。本記事では螺旋形を使った一教(相手を崩して肘を極める技)を紹介します。

螺旋形とは?

螺旋形とはその名の通り「螺旋を描く動き」。たったこれだけの事です。

何をもって描くのかはその時々に応じた最適なモノ。腕で描く事もあれば、体幹で描く事もある。螺旋の幅や速度も同様に相手に応じて最適解は常に変化します。一期一会です。

本記事で紹介する螺旋式一教、相手のストレート系の突きを、同じ側の腕で抑え、そこから相手の腕を絡めて肘と肩を極める技です(参照:google画像検索結果

螺旋式一教では3つの螺旋を描きます。

螺旋式一教のやり方

螺旋を描く前に動きを封じる

相手の腕を止める際は骨と骨がぶつからないよう、自分の前腕を使って皮取りと呼ばれる”皮膚を引っ張る事で力の方向を誤認させる技術”を使用して相手の前腕を止めます。

皮取りを使わずに、以降説明する動きを開始しても、運動神経が良い相手であれば距離を取ったり、腕を引いたりして簡単に回避ができます。場合によっては二の矢で攻撃される可能性も。そこでまずは皮取りで動きを封じます。

以下、”相手が右ストレートを打ってきた=自分は左腕で皮取りをかけた”と仮定して説明します(下図)。

最初の皮取り

第一の螺旋:前腕

自分の左前腕が相手の右前腕を滑りつつ、腕を上昇していく方向へ螺旋が進むよう、螺旋を描きます。この時、腕を動かすのではなく上体を動かす事で螺旋を描きます。

第二の螺旋:手首

前腕を滑らせていくと相手の手首と自分の手首が接触します。そこで手首を返して手首で螺旋を描きます。

第三の螺旋:上半身

手首に螺旋を描いた辺りで、全身を使って動いていれば相手の体勢は崩れており、相手の手首が自分の目の間にやってきているはずです。

そこで相手の左手首を右手を使ってカチッと固定、相手の腕を軸にして己の上半身を回転。相手の手首に螺旋を流します。うまく螺旋が描けていると相手はこの時点で崩れます。

極め

後は普通の一教と同じです。右手で相手の手首を極めつつ、左手で相手の肘を抑えながら、相手を相手が崩れやすい方向に倒します。

螺旋式一教の威力

第一、第二の螺旋を描くためには皮取りの技術を使いこなす必要があります。そして第三の螺旋を描くには、重心移動のエネルギーを効率よく伝える技術、相手が崩れやすい方向に関する知識、軸の感覚等が必要です。

故に螺旋式一教は初段前後のレベルになってから稽古しています。初段レベルだけあって威力もなかなかのものです。

門下生の一人、総合格闘技の元プロの方は螺旋式一教が大変お気に入りのようで、筆者は度々練習台になっています。

螺旋形が自然に描かれる時、まるで巨大な回転する機械に巻き込まれてしまったように錯覚します。当人は力を入れてはいないにも関わらず、です。

なお師匠の場合、力強さと同時に魂を吸いだされる感覚も伴った螺旋式一教になります。上記三つの螺旋+αの秘伝のなせる技。合気道、鍛錬が尽きる事はありません。

気の流れ・呼吸力・螺旋形

先述した第二の螺旋で手首を固定する際は、呼吸力を使用します。ここでは”呼吸力=固定力”と考えてください。

そして第三の螺旋で全身を使って螺旋を描く時、自ずと気の流れが生まれます。ここでは”気の流れ=移動によって生じる運動エネルギー、物理的エネルギー”と考えて頂ければ大丈夫です

気の流れを意識すると、螺旋の動きになり、維持するために呼吸力が生まれる。

呼吸力を意識すると、螺旋が形づくられ、気の流れが生まれる。

螺旋形を意識すると、気の流れが生まれ、維持するために呼吸力が生まれる

 

気の流れ、呼吸力、螺旋形は三位一体。そして3つが統合されたものが合気なのです。

合気道の技 螺旋式一教とは?

曰く!気の流れ、呼吸力、螺旋形!これだけ!