空間感覚の技術(心理学)

合気道の気 オーラが見える目と現実

情報

合気道をやっている方の中にはしばしばスピリチュアルな方面に走る方がおられます。これは合気道が「気」の概念を扱う武道である事が原因の一つだと思われます。

「気」の概念を使うと身体の微妙な動きが変化し、技の質が向上するので非常に有効ですが。しかし、「気」はあくまでも技のレベルを上げるために使用する概念であり科学的なものと私は考えています。今回は「気」について語ります。

メンタリスト 賢馬ハンス

19世紀末のドイツに人語を解し、計算もできるハンスと言う名の馬が話題になりました。蹄を鳴らす回数で回答していたのです。しかし心理学者の調査の結果、ハンスは観客や出題者の無意識レベルの微かな仕草や表情の変化から正解を導き出していた事が明らかにされました。

コツコツと蹄を鳴らし、正解が近づけば周囲は固唾をのんで見守り、正解回数までならしたら緊張はピークに達する。その瞬間を確認して蹄を鳴らすのをやめるのです。まるでメンタリズムですね。

気もそういうものだと私は考えています。顕在意識では明確に捉えられない微妙な変化も私たちは感知して情報が脳に送られています。その情報を脳が明瞭なイメージ、オーラとして色で、または音、匂い、肌触りといった五感に変換して感じさせているものが「気」と考えます

人形の目ならオーラが見える

人形の目とはどこにも焦点を合わせず、ぼんやりと周辺視野だけで、物を見る目付。微かな動きも感知するので、相手の初動を抑えるのに適しています。人形の目で見ると面白いものが見えるようになります。その体験を二つ紹介。(人形の目の記事はこちら

スリの動きはリズムが違う

街を歩いていると人の流れができ、人の動きは似たようなリズムを奏でます。そして何かやらかそうとしている人は、周りのリズムとは異なるリズムを発して浮いて見えます

以前タイのバンコクを歩いていた際、スリが多いと聞いていたので、人形の目で念のため警戒していると、一見普通ながらも周囲とは違うリズムで近付いてくる男がいました。

気にしすぎかな?とも思ったのですが、2m位まで接近されたので「気が付いてるで」と言う目線を送ってみると、すっと遠ざかっていきました。

その後タイマッサージ店に訪れた際、他に日本人が三名来店していましたが、皆、私が歩いてきた通りでスリかひったくりにあってしまったとの事。

私が何事もなかったというと、なぜ?と問われました。すると横からお店の方がひと言。「この人スキないよ。なにかしてる人ね。」

治安が良くない所に行くときは、じろじろと一点ずつ凝視して確かめるのではなく、ぼや~っと全体を見るようにすると、不審な動きが早期段階で察知できます。お試しあれ。

木々は猫のように動く

初段を授かったのち、師匠から「今ならこれを読んでも理解できるだろう」と、『極意の解明』と言う書籍を貸していただきました。

柳生流、夕雲流と言った剣術や武道の極意書の文言を引用しつつ、武の技術および気の概念について詳しく説明している良書です。

本書には、良く見ると木がネコの様に動く、という話があります。三段になってもそんな風に見えたことはなかったのですが、最近久々に人形の目の稽古をしていると納得。

大気の揺れで微かに揺れる葉の動きが増幅して見えてくる。そのまま見続けていると、葉だけでなく、幹もゆるやかに揺れている。そして何かの拍子で大気が少し大きく揺れた瞬間、「なるほど木はネコのように動く」と納得できしました。

オカルトは面白いが実用性はない

木が動くのを見て、植物の意思と魂を感じた!とスピリチュアルな方面に走るのは早計。もしかしたらあるかもしれません。しかし木がネコの様に動いて見えても、「僅かに揺れる動きが感知され、脳内で増幅されて見えた」というだけの事です。

人の輪郭が白っぽく見えたりもしてくるので、突き詰めていくとオカルトっぽい世界に入りそうですが、現実から足を浮かせない様にしましょう。実践的な技術はいつだって現実的なものなのですから。

気の概念で技レベルアップ

軸を作る稽古をしていると天地を貫く柱の様な感覚を得ますが、重力と力のバランスが無駄なく身体の中心を通っていて心地良く感じているだけだと思っています。

中丹田を使う稽古も胸の真ん中がホワッと温まりますが、深部の筋肉が暖まっただけではないのかと思っています。

しかし、稽古中は気をイメージします。その他が技は上手くかかるのです。「気」のイメージに伴って僅かに動きが変化するのでしょう。こんなエピソードも。

門下生の高校生とベタッと張り付く技を稽古していた際、なかなかうまくできなったので一旦休憩。お互い疲れていたので床にべたっと寝そべりサボりました。

その時、高校生が寝つきが悪い時に、身体が泥のように床に溶けていくイメージで横になるとすく寝られるという話をしてくれたので、「それ今やってる技に使えね?」という事で実践。

泥のイメージで相手に溶けるイメージで技をかけてもらうと途端に質が変わりました。べた~っと体内に侵入されてくるような感覚。

 

気かあるか否かはどうでも良いのです。気をイメージすると技の質が変わるという事実が重要。気をイメージした技を稽古でお試し頂ければ効果が分かっていただけると思います。

イメージや気の考え方については、先ほど紹介した『極意の解明』に書かれている概念が分かりやすく、実際に試すと技の質も向上しました。

ただし、入門間もない頃に勧められても「胡散臭!!」と拒否反応が出たと思います。一定レベルの方にのみオススメの本です。

合気道で言う「気」とは?

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