雑記

IAM護身術教室の稽古内容

井口流合気道護身術(IAM護身術)

IAM護身術=Iguchi Aikido Method 護身術。井口雅博師範が遺した合気道の秘伝を普通の人が短期習得できるよう、稽古内容を体系立てて学ぶ護身術教室です。

師匠曰く「私が十年間、天の鳥船と振魂をやり続けて得た感覚を、このやり方を教えたらあなた達は5分で体得してしまう。少し悔しい気もするが、教えるというのはこういうものなんでしょう。」

技をひたすら繰り返すのではなく本質を掴む稽古を行う。秘伝を自分の体で受けつつ言語で説明してもらう。それが短期習得の秘密です。

本記事では普段の稽古の流れと、合気道について紹介します。

IAM護身術教室の稽古内容

準備体操(約10分)

  • 立禅(身体感覚と精神を整える。1分弱)
  • 天の鳥船の行(上体が前後に動く力を流して腕を振り力の流れに対する感覚を磨く)
  • 振魂の行(ハムストリングスで上体を上下に動かす力で手を振り軸を作る)
  • スワイショウ(背骨を回転させた力を腕に流して身体に巻き付ける。)
  • スイショウ(背骨を垂直落下させた慣性力で掌を落とす。)
  • 当身(掌底、上段受けと同時、下段受けと同時の三種類)

二人組み基礎稽古(10〜20分)

  • 当身(攻防同時、軸・体幹・骨盤・肩甲骨の使い方強化)
  • 陽の一式(重心移動の感覚強化、前と横)
  • 陰の一式(重心移動の感覚強化、前と後)
  • 押し合い(一方が皮取り)

 

その日のテーマ(60分)

参加者のレベルに応じて適宜選択

級・段に応じた型稽古(10〜20分)

同級・段同士か近い者同士で稽古。師匠が適切なアドバイス出来るよう、少人数制をとっている。

 

合気道としてのIAM護身術

型稽古は型に捉われない

中級以降の型稽古では混乱する事があります。初級ではほぼ決まった型通りに動いていればOK。まずは基本の動きと感覚を身体で覚えてもらう事が主目的だからです。一方、中級以降の合気道の技は一期一会。最適な動きは相手のクセによって変化します。

師匠に取り(技をかける側)をやってもらい、指導を受けると、受け(技をかけられる側)のクセに応じて指導内容が変わるので、門下生同士で型稽古をすると「自分が習ったのと違う!」となる事があるのです。

かくいう筆者もつい最近まで、「どれが正しいのか・・・」と混乱していたのですが、ようやく「全く違う事を言っていて形や動きは違うようでも本質は同じ事か」と気が付けるようになってきました。

ついでに初段審査の難易度が上がりました。内容は「何でもいい」。型ではなく本質が掴めているか?というか観点の審査です。…私は黒帯返上しないといけないのでは。

 

本質を学ぶ 巨人の肩に立つ

Google scholar という論文検索サイトに行くと、『巨人の肩に立つ』という文言が表示されます。巨人とは先人達の偉業。自分一人では手の届かない所、見る事が出来ない場所でも、巨人の肩に立てば、手は届くし景色も見える。

これは学問だけの話ではありません。身体を使う武道であっても先人たちが膨大な時間を研鑽に捧げる事で得られた、知識と感覚があります。そして感覚すら実は伝授できるものなのです。

IAM護身術教は合気道秘伝の感覚伝授方法が確立されているので、本質を短期間でつかむことが出来るようになります。

「分からなくても形通りやっていればよい。数をこなすうちに自ずから分かってくる。」

その方法でたどり着けるのは、人生全てを捧げても過去の巨人にすら遠く及ばないでしょう。達人と呼ばれる人たちは、研究家でもあります。

偉人達ほどのレベルは不要という方でも、我流では無駄に時間を浪費してしまいます。巨人の肩に乗らない手はありません。とっとと肩に乗る事である程度の技術は短期間で身につくのですから。

実戦で使えるか?

IAM護身術教室ではスパーリングや組手は行っていません。遊びでやる事がたまにありますが稽古としては未実施。

柔道経験者の門下生曰く「護身術だけなら陽の一式と三式が使えるだけで十分。」同意です。一式は相手を突き飛ばす事が、三式は相手を地面に倒す事が出来る技。これだけで、身を守るなら十分です。

しかし格闘技や武道経験者じゃない人ほど、「こんな動きが実戦で使えるのか?」と気にして不必要に動き回ります。実戦とは攻防のやり取りを伴う戦闘の事を指しているのでしょう。その定義で言えば、IAM護身術は実戦で使える技術ではありません。護身であれば危機さえ回避できればいいので、バチバチ相手をやり合う行為は想定していないのです私達がやっているのは、攻防のやり取りを無視して力を伝える技や回避する技。

そしてIAM護身術教室で行っている稽古は、合気道の秘伝を扱えるように身体感覚を養うものが主体となります。その感覚が掴めれば護身できる程度の事は出来るようになります。

護身術教室のはずが・・・

IAM護身術は実戦で使えないと言いつつ、長く在籍している門下生はほとんどが何らかの武道、格闘技経験者で、「この秘伝を若い時に知っていれば」と漏らします。

逆に未経験者の方は、一定の技術が身についた段階で辞めてしまう傾向があります。中級以降の技術は、比較対象となる格闘技術がないと理解が難しい事が理由の一つかもしれません。護身術であれば、中級クラスの技量で十分とは言え、少し寂しいものは感じます。

また上級になると、もはや護身術ではなく合気道の奥義伝授になってくるので、マニア向け。その結果、人体に深い関心のある方や、武道格闘技好きな「え?あなた護身する必要ありますか?」という方が多い護身術教室になっています※。

その分、指導内容が具体的な武道や格闘技の攻撃を想定したものになる事があるため、未経験者の方の成長が速いのかもしれませんね。そして対格闘家の攻撃を想定すると、初級から習う基礎の構えに戻ってくるというのを面白く感じています。

※2020年5月3日追記

稽古場所の拡張、アクセスの利便性向上から初心者の方も増加中。護身術は力の弱い人が不当な暴力に屈することなく自然に生きることが出来るためのツール。IAM護身術がその一助となってくれることほど嬉しいことはありません。

IAM護身術の電子書籍

シンプルな動きで習得が容易かつ護身に役立つIAM護身術の基礎技法を書籍化しました。相手と距離を確保する牽制方法、簡単な動きから強力な打撃を放つ方法、掴まれた腕を力を感じさせず外す方法などを紹介しています。体力つくりの書籍と合わせて是非ご覧ください。