雑記

合気道の体と感覚 中心軸を作る

中心軸を作る

合気道のみならず多くの武道で重視される「軸」の概念。師匠は軸を作るために通常の稽古で10年以上費やしたとか。ところがその年月を費やす事で見出したある方法で稽古するとほんの数分で中心軸が何たるか分かります。

中心軸ができると、力をこめずとも相手にブルドーザーのように大きな力を感じさせつつ相手を倒せたり、大岩のようにドッシリして相手に押されても崩れなくなったりします。

中心軸に加えて、井口流合気道護身術(IAM護身術)には、気のラインという考え方もあるのですが、中心軸が本当に出来てくると、気のラインを考慮せずとも、身体が勝手に気のラインに沿った動きになります。今回は中心軸について紹介します。

気のラインと天地軸
気のラインと天地軸三本の気のライン 力づくではなく流れるように相手をいなす合気道の技。技に力感がない理由は、視線誘導をはじめとした心理学に起因するところ...

真っすぐな軸とは物理的な意味だけではない

中心軸を瞬間で体得する方法は道場でしか伝えられませんので、ここでは軸と合わせについての紹介に留¥めます。

中心軸を真っすぐにするという事は、体幹を物理的に真っすぐにするという物理的要素だけではありません。

先述した気のラインを使って動いている時の使い手の体は、時に前傾姿勢になる事があります。しかし使い手は身体感覚においては天地を真っすぐ貫く天地軸を維持しています。

仮に指導者から「まっすぐな軸を維持しろ!天地を貫く軸を!」とだけ指導されていると、弟子は前傾姿勢を取ろうとしません。

中心軸が天地を貫くように立てるためには相手との合わせが重要。自分の体にかかっている重力と相手からの負荷を合わせた力が真っすぐ天地を貫く位置はどこか?

常に全身のセンサーを稼働させて感じる必要があるのです。そして全身のセンサーを敏感にする方法が、「人形の目」と呼ばれる目付です。

合気道秘伝の目付 周辺視野で捉える「人形の目」合気道および護身術を使う際、覚えておくべき重要な事の一つが情報遮断。どんなに強く速く動けても、情報が相手にダダ漏れの状態では対処されてし...

軸は感じるもの

中心軸を瞬間的に形成する方法を行った直後であっても、稽古歴が浅いと技に活用出ないケースがあります。

ある方は座り技稽古(正座して膝上に置いた両手を、立った相手に上から押さえつけられた状態から持ち上げて相手を崩す)の際、動きだした瞬間に軸が崩れているのが分かりました。

「学んだ動きを身につける為には反復練習しかない」、というのは普通の考え方。もちろん何かを習得するために反復練習は必須ですが、ただ数をこなせばいいというものではありません。

そこで一体なぜ再現できていないのだろうか?と見ていると、中心軸を形成する稽古の時と、技の稽古の時で気合の入れ方と目の使い方が全然違いました。

中心軸形成稽古は非常に地味です。地味すぎるので実は日常生活でさりげなくできてしまう程。そのため、「よしやるぞ!」という気合はいりませんし、気合が出る人の方が稀です。

他方、技をかける際は気合が出ていて、目も相手や自分の手に向いています。こうなってしまうと全身のセンサーに対する感覚が鈍ります。

稽古で得た感覚をただ再現する。これだけで技がかかるのです。しかし固定観念から余計なことをしてしまう。人を動かすには力が必要、スピードが必要、実戦では実戦の動きが必要etc…

如何に固定観念を捨てられるか?合気道の習得を難しくしている要素だと思います。

増やすな。捨てろ。

IAM護身術は超短期での合気道習得を売りにしています。中心軸形成は本来、一度の稽古で感覚が分かる秘伝です。しかし普通の稽古方法では中心軸形成に10年以上かかってします。それは秘伝が細分化、具体化、言語化されて伝えられていないからです。

突き詰めると中心軸の形成は「天地を貫く柱を作る」、いえもっとシンプルに「ただ気を感じる」という表現になります。これで分かるのは天才だけです。故に私たちは合気道の動きを分解し、科学的な解釈を加え、名称をあえてつける事で記憶の定着を図っています。

しかし実際に技として使う時は全ての理屈を捨てます。余計な事もしません。曰く!これだけ!なのです。

中心軸とは?

曰く!気の柱!これだけ!