曰く!これだけ!~井口流合気道の秘伝と雑記〜

井口流合気道の技や考え方を紹介しています。

手は口ほどにものを言う ~視線誘導の技術~

 

1. 視線誘導に必要な下準備

視線誘導の技を前回、前々回の二回にわたって紹介してきました。視線誘導の下準備とは①人形の目で立ち、②勝速日をかけた状態で間合いをとって立つことでしたね。

今回は最後のしめ。相手の視線を誘導する動きについての記事になります。

 

2. 視線誘導に必要な動きとは?

攻撃を仕掛けてくる相手の体からは情報が伸びてきていて、これが自分に突き刺さっています。この情報のライン上に突如、手のひらを出現させて遮る動きとなります。

突如手のひらを出現させるといっても、プロボクサーのようなパンチスピードで動かすのではありません。自分の身体のラインに動きを隠す事で突如出現したように錯覚させるのです。

 

 

3. 身体のラインと気の陰に動作を隠す

本来は半身で立つ絵が正しいのですが、下図のような動きを行います。(現段階の画力では早くも限界が来てしまいました!!)手のひらを首 or 顎の逆側へ移すまでは体のラインに動きを隠しています。

気の陰:井口流合気道では自らの身体に3本の軸を意識して動くのですが、3本のうち相手から遠い側の軸を「気の陰」と呼んでいます。視線誘導の際は、気の陰の中に腕を入れることでさらに動きを感知されにくくしています。

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気の陰(かげ)が有効な理由について。

人は自らの体験や知識で物事を判断します。腕が気の陰にある体勢では、その腕が力を効率的に発せないことを無意識で理解しています。それゆえ警戒心が低下して感知しにくくなるのです。

例:左手で右胸を抑えている状態で左手から強烈な攻撃が来るとは思わない。

 

 

4. 隠れた動作から飛び出す手のひら

図の3まで相手からは手のひらの動きが見えにくい状態です。この状態から図の4のようにフッと手のひらをかざすと、相手からは突然中心視野に手のひらが入ってきたように錯覚します。

 

人は手のひらをかざされると、つい見てしまうという習性があります。街で誰かが手を挙げるているのを見るとき、視野の中心は顔ではなく手のひらを見ていませんか?

アゴを殴ろうとしていても、差し出された手のひらに焦点が合ってしまい、攻撃ポイントが手のひらの位置にずらされるのです。

 

この時重要なポイントは、腕を動かす時の意識です。「視線を誘導してやろう」という意図や力みがあると視線誘導はできません。「こいつ、何かやろうとしているな?」と情報を感知されてしまうからです。

 

視線誘導とは、自分の情報は与えず誤情報を相手の無意識に送り込む技なのです。

 

 

5. 視線誘導の技術のまとめ

曰く!人形の目で立ち、気の陰から手のひらを出す!これだけ!

勝速日はいかなる状況でもかけておくことが井口流の大前提。)

 

6. 井口流合気道の単語に関して

井口師範は合気道の秘伝に名前を付けていなかったそうです。
「名前を付けるとこだわりが生まれる。それではいかん。」
「曰く!気の流れ、呼吸力、螺旋形!これだけ。」
との事。

しかしこれでは、凡人が複雑怪奇な合気道の秘伝を体得する事ができません。間違った動きをするたびに一つ一つ動作を指導していては非効率的です。

そこで橋本先生が我々一般人でも秘伝が習得できるようにと、わかりやすく名前を付けてくれました。一度動きを覚えると「気の陰ができてない!」と言われたら「あれか!」とすぐに動きを修正できるので我々には有難い話です。

 

 

7. 最後に

井口流合気道に興味を持たれましたら、お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。稽古は和歌山市内にて、火曜(20時~)、金曜(21:45~)稽古中です。その他、基礎の技や護身術であれば当方も個人レッスン可能です。

井口流に限らず、合気道や古武術に興味を持ってくれる方が、このブログを読んで増えてくれると武道家冥利に尽きます。ではまた次回。