脱力の効果と井口流合気道の稽古方法

 

 

1. 無意識で相手を捉えた動きは早い

温泉につかった時、ほわ~っとしますよね。筋肉はあれくらい脱力させておくと、意図が悟られにくくなるだけでなく、潜在意識が優位な状態になっているので合気道の技が使いやすい状態になります。

相手を凝視して筋肉も備えておかないと反応が遅くなりそうですが、それは意識や思考のやりとりが伴う場合です。反応するより反射するほうが早いので、体が反射的に動けるように脱力を重視しています。

 

2. 抵抗されにくくなる

泥酔した人や熟睡した人を抱え上げるのは、起きている人を抱え上げるより苦労します。砂袋を持ち上げるより水袋を持ち上げる方が困難です。これはなぜでしょうか?

 

それは,力が加わると重心位置が絶えず変化して適切な力の方向が定められないからです。

 

物を持ったり運んだりしている時、人間は無意識で物と自分の重心位置を探っています。 重心位置が固定されていれば、動かすために適切な力の方向は分かりやすくなります。しかし重心位置が絶えず変化するとなるとどうでしょう?

重心位置が変化するたび、適切な力の向きも変わってしまうので、脳の情報処理と体の制御が追い付かずうまく動かすことができなくなるのです。

 

このため脱力した水のような腕や体で技をかけられると抵抗が難しくなります。なお、意識していない事、相手を無視する事で接触点から相手に情報が漏れることも防いでいます。

 

3. 稽古方法

3.1. 井口流合気道の例

足を肩幅に開いて立ち、手を胸の前あたりでプラプラさせておきます。次に背骨を垂直に落として発生したエネルギーを脱力した手首に伝えて指先を下に落とす、続いて背骨を垂直に跳ねて、上昇するエネルギーを手首に伝えて指先を跳ね上げるという稽古があります。

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(あらゆる基礎稽古の形は、同じ動きでもほんの少し変えるだけで上位技術が習得できるようになっています。上の例では脱力かつでしたが、実は中丹田の稽古であり、空間感覚の稽古でもあります。)

 

3.2. 中国拳法の例:輪臂功(リンヒコウ)

過去に紹介させて頂いた宮平保老師の、天行健中国武術館の基礎技法が収録されたDVDを購入しました。その中にある脱力の稽古が上記井口流の稽古と似ているので紹介します。

足を開いて立ち、背骨を垂直に上下させるところは一緒です。発生したエネルギーを使って両腕を前または後ろ向きにぐるぐる回す動きでした。指先に重さが伝わるように行うのがポイントとの事。

実際やってみるとこちらの稽古は腕の重みも感じられるので、より強く中丹田が意識できます。また肩が柔らかくなるのでお勧めです。打突の速度は上がります。

なお足の関節を柔らかくする稽古方法もあるのですがお弟子さんの柔軟性がバレエダンサー・・・修行あるのみ!

 

 

4. まとめ ~脱力~

曰く!重力を感じる!これだけ!

 

 

5. 最後に ~井口流合気道~

井口流合気道に興味を持たれましたら、お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。稽古は和歌山市内にて、火曜(20時~)、金曜(21:45~)稽古中です。その他、基礎の技や護身術であれば当方も個人レッスン可能です。