曰く!これだけ!~井口流合気道の秘伝と雑記〜

井口流合気道の技や考え方を紹介しています。

井口流合気道の目の使い方 ~周辺視野で微かな動きを~

1. 相手の視線を誘導

相手の視線を誘導する事で同時に動きを導く。心理学と武道の融合です。

過去に "「ある状態」で起きる、「ある種の動き」に視線が導かれる"と紹介しました。今回は「ある状態」に関して掘り下げて説明します。

 

2. 視線誘導に必要な己の目

「ある状態」=「情報がない状態」「意図も動きも出していない状態」となります。

意図とは、「こう防御しよう」「ああ攻撃しよう」「相手はどう来る?右?左?」という思考です。そして意図に 応じて相手も自分も構えを取っています。では、意図を隠すにはどうすればよいのでしょうか?

 

答えは、死んだ魚の目でぬぼーっと立つのです。

 

「そんなん一方的に殴られるだけやんけ!」その通りです。もう少し説明しましょう。

 

3. 情報を与えない目「人形の目」

井口流合気道では死んだ魚の目のことを「人形の目」と呼んでいます。人形の目は何も見ていません。しかし全てを見ていて何も見ていない目なのです。

…禅問答のようですね。では、試しにぼーっと何にも焦点を合わせず、されど視野を広く意識してみてください。

ほんの微かな動きでも変化が気になってしまいませんか?これが「人形の目」です。人形の目を使うと相手の微かな初動が察知できます

 


4. 人形の目の効果 ~動きの感知~

焦点を合わせた視野を中心視野、それ以外の視野を周辺視野といいます。

中心視野は焦点を合わせている視野であり、対象を理解したり、形を分析したりします。そして意識が存在するので相手には情報が伝わります。

 

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対して周辺視野はぼんやりと見えている視野です。動くものに対して敏感に反応します。

 

車を運転していると視界の端で挙動がおかしい車を見つけたりしませんか?これは周辺視野で微妙な動きを捉えているからです。

そして、ぼんやりと見えているだけの周辺視野は、意識がなく情報を発していません。

 

中心視野を捨てて周辺視野だけで観る。これによって意図を隠しつつ、状況把握ができるようになります。意図を感じない目なので「人形の目」と呼んでいます。

 

 

5. 恐怖!

なお、私が初めて井口流合気道の門をたたいた日、初段昇段審査前の2名と橋本先生が人形の目の稽古をしている最中でした。

扉を開くと全員が死んだ目をしてぼーっと立っている。挨拶しても誰も目を合わせない!…とんでもないところに来てしまった!と慌てたのも良い思い出です。

 

 

6. 人形の目だけでは・・・

相手の微かな変化を感知できても、ぬぼーっと立っているだけでは、打撃系の訓練を積んだ方の素早い攻素には対処できません。

「あっ動いた」と感知して腕を動かす頃にはヒットしています。ではどうすればよいのでしょう?ぬぼーっと立っているのに反応するには?

 

答えは、始まる前から終わらせるのです。

 

…また禅問答みたいになりました。次回の記事でこの説明をしますね。

 


7. まとめ

曰く!見ない!これだけ!

曰く!すべて見る!これだけ!

 


8. 最後に

井口流に興味を持たれましたら、お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。

稽古日時などの詳細はこちらをご参照ください。和歌山市内にて稽古中です。
楽しく読んでいただけていたらとても嬉しいです。

 

www.iguchiryu-aikido.com