曰く!これだけ!~井口流合気道の秘伝と雑記〜

井口流合気道の技や考え方を紹介しています。

剛の塩田師範と柔の井口師範

1. 柔の感覚を出すには

合気道の技を受けると下記の二通りの感じ方があります。一つは「やられた!」という感じ方、もう一つは「ふんわりとして何が起こったかわからない」という感じ方です。
 
合気道の達人では、塩田剛三師範が非常に有名ですが、塩田師範は一つ目の「やられた!」という感じの技を好んでいたそうです。そして井口師範は「何が起こったかわからない…」方の技を好んでいたとか。
 
井口流では両方の技術を学んではいるものの、やはり井口流を掲げているので、二級以上の稽古で中心となるのは、「ふんわりとしていて何が起こったか分からない」系統の技術になります。
 
では、何が起こったか分からないという状態は、どのよう作られるのでしょうか?
それは「情報の遮断」により成されます。相手は情報が得られないがゆえに「何が起こったか分からない」と感じるのです。
 
 

2. 情報の遮断 ~意識を変える~

情報の遮断にはいくつかの方法がありますが、初段以降で稽古する、心法の技術(心理学)では、相手への情報を遮断する為に自らも騙すべく、ある概念を使っています。その概念とは”気”です。
 
突然「気」という概念が出てきました。「やはり合気道はオカルトか」という声が聞こえてきそうですが、気の存在有無はこの技術を使う上で重要ではありません。
 
重要な事は、気が流れているという意識で技を繰り出すことにより、自らの意を読ませなくさせる事なのです。
 
 
人間の感覚とは非常に鋭敏であり、優れた職人は物を触って0.1mmの厚さの違いが感知できるといいます。
 
座り技呼吸法の稽古で、相手の腕に触れた状態で相手が何かしようとした場合、相手が職人や達人でなくとも、「なにかしてくるな」と無意識に感じる事ができる程、人体は敏感にできています。
 
一方、中丹田から気が流れる概念を使って技を繰り出すと、相手は何か来ると感知することなく、力を伝達されてしまい、訳が分からないうちに倒されることになります。
 
相手は不意打ちをくらったようなものなので、使い手に筋力や瞬発力がなくとも、相手を制することができるのです。

(なお、敢えて違う情報を与えたり、情報と行為にズレを起こしたりすることで「やられた!」と感じさせることができるのだと思います。不意打ちに対して、こちらはフェイントにかけられたような感覚ではないでしょうか。)
 
 

3. 情報遮断の稽古

稽古の一つに、正座した状態で上から手を押さえつけられ、その手を持ち上げて返すという稽古がありますが、この稽古は骨の技術(物理学、人体構造)、皮膚の技術(生理学)に加え、実は情報遮断の技術へと繋がる、心法の技術をつかう感覚を養う稽古にもなっています。
 
腕を上げて押し返す際、ある位置、ある方向へ荷重を加える事を意識し、腕を上げているのですが、これは相手への情報を遮断するとともに、自分の意識も別の場所に外すことによって、意を悟らせない効果も含まれているのです。
 
 

4. まとめ

今回は備忘録もかねて、初段、二段の技術について紹介させて頂きました。
井口流で使われる気とは、相手と自分を騙すため、情報を遮断するため、使われる概念と言えます。

 

井口流に興味を持たれましたら、お問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。稽古日時などの詳細はこちらをご参照ください。
楽しく読んでいただけていたらとても嬉しいです。