身体感覚の鋭敏化の稽古

0. 前回の復習

骨の技術とは、”人体が最も力を発揮できる構造を利用する技術”と説明いたしました。これは同時に、”運動エネルギーを最も効率よく伝える技術”でもあります。
 
そして、その技術レベルを上げるには身体感覚の鋭敏化が有効なので、その稽古方法の一つを紹介させていただこうと思います。
 
 

1. ハイワン

気功などで取り入れられている動きだそうです。合気道には、天の鳥船の行という稽古方法がありますが、脱力と身体感覚の鋭敏化の為には、よりシンプルな”ハイワン”で十二分です。

 
ハイワン一つとっても、様々な感覚が養えますが、今回は骨の技術と、皮膚感覚の技術を得る為に必要な、”感覚”を紹介します。具体的なやり方は下図になります。
 

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重心移動の力で腕を振る事が、骨の技術の稽古になります。
「腕を捨てる感覚」、「腕を拾う感覚」を意識する事はより上記の技術、皮膚感覚の技術の稽古にもなっています。
 
 

2. 運動エネルギーの伝達

さて、身体感覚が鋭敏になり、運動エネルギーが体を伝わる感覚が身につきました。次に運動エネルギーを相手に伝えるにはどうすればよいのでしょうか?

 
答えは、”接触する事”です。運動エネルギーは接触点からしか伝わらないからです。

では、腕から運動エネルギーを伝えるとき、腕力が必要でしょうか?全く必要ありません、触れてさえいれば、重心移動のエネルギーは相手に伝わります。
 
腕は体が動くことで生じるエネルギーを伝える道として使います。そして、その意識で触れたまま動くと、心理的な働きもあり、相手を導くことができるのです。
 
合気道は、物理学と心理学(さらには生物学)を活用した技術であり、理論(秘伝)を知れば短期間で護身や武術として使用できる水準に達することができます。
 
 
井口流の道場では、その理論を入門時から惜しむことなく学ばせてもらっており、毎回楽しい発見があります。理だけでなく稽古の度に、身体感覚が鋭敏になるだけでも楽しいものです。
 
この感覚は、スポーツで新しい技を習得した時の感覚や、トレーニングの成果が出て動きのキレがよくなったと実感できた時に近いもので、日々のストレス解消にもなっている気がします。
 
 

3.余談

ちなみに、本日の稽古では対ボクシングの練習として、錯覚を利用した防御と体制の崩し方を復習しました(亀田戦の翌日だから?)。レベルが上がれば心理誘導の技術(心法)の割合も増えてくるのですが、開祖や達人の方はよくこんな方法を思いついたなぁと毎回驚かされます。
 
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