骨の技術(物理学・人体構造)

女性向けの簡単な護身術 合気道式3つの技法

女性向け簡単な護身術

護身術を学びたいと考える方が増えています。しかし、金的、目潰し、武器使用等の過激な技がメインだと使用をためらってしまう方が多いのではないでしょうか?

躊躇なく相手の急所を潰せるよう人は極僅か。女性が男性に攻撃を仕掛けるとなると更に心理的難易度が上がります。

「逆上させてしまうと余計に危険なのでは?」「そもそも男の力に通用するのか?」

優しい人になると自分の身が危険に晒されていても、相手を怪我させてしまうのではないかと危惧して手を出せなくなる事すらあります。

人にダメージを与える行為は、すんなり出来ない人の方が圧倒的に多いのです。

そこで本記事では相手にダメージを与える事はないが、相手をたじろかす事ができて、簡単に覚えられる合気道ベースの護身術を3つ紹介します。

筆者はラグビーをやってたのかと言われる事がある体型ですが、現道場に体験入門した際、本記事で紹介する技を使う小柄な女性に何度も吹き飛ばされたので、入門を決めました。

ただし、どの技も一旦危機を脱するためのものであり相手の動きを封じる技ではないので、使用後は即逃亡して110番しましょう。

相手を吹き飛ばす 陽の一式

女性向け簡単な護身術の技2
  1. 相手を排除するのではなく。両肩にそっと手を置く。
  2. 相手と一体となるイメージで身体全体を接近させる。
  3. 腕と肩の力が抜けていると相手に接近する事で腕が折り曲がる。
  4. 身体全体が前方移動している力を腕に伝えて伸ばし、相手を突きとばす。

ポイントは接近するときは背骨を真っすぐにする事。肘や肩甲骨を後ろに引かない事。力が効率よく使う事が出来なくなります。

腕力では男性側が有利ですが、小柄で軽めの45kgの方(150cmの理想体重)だとしても全体重を効率よく使えば45kgの鉄球がぶつかるようなもの、それを体勢を崩さず受け止められるような男性はそうそういません。

かと言ってただの体当たりでは、簡単に対処されます。体当たりには体当たりで対処すれば体格が良い方が圧倒的に有利ですし、体当たりでは衝撃が伝わる瞬間が丸わかりなので、相手は備える事ができます。

他方、陽の技術は力が伝わるタイミングが読みづらいという特徴があります。故に体格差を覆す事ができます。

相手をよろめかせる 陰の技術一式

女性向け簡単な護身術の技2
  1. 相手を排除するのではなく。両肩にそっと手を置く。
  2. 相手と一体となるイメージで身体全体を接近させる。
  3. 腕と肩の力が抜けていると相手に接近する事で腕が折り曲がる。
  4. 足は動かさず、腰を後ろに突き出す事で上体を前傾させ、腕を撃ち出す。

ポイントは、腕の力ではなく腰を引いた力を相手に伝える事。

「深淵を覗く時、深淵もまたお前を覗いているのだ」とはニーチェの言葉ですが、相手を押す時、相手もまたあなたを押しています。

力を加えた時、必ず反対方向の力が働きます。それが自然の摂理。これを使うのが陰の一式です。

腰を後方へ引いた力が発生するとき、釣り合うように前方向の力が発生します。その力を相手に伝えるのが陰の一式です。

陽の技術と同じく。力が伝わるタイミングが相手からは読み辛く、対応が遅れるので体格差があっても相手を突き飛ばして逃げる隙を作る事が可能です。

手首を外す 皮取りの術

合気道らしく、相手に力を出させないやり方を紹介します。

片手を相手に掴まれた場合、相手の親指下の丸い膨らみ部分(下写真)を、自分の手の甲で擦り上げて、耳の上に手を移動させます。

手首を外す際に擦り上げるポイント

この技のポイントは、押し当てるのでは無く擦り上げる事と、掴まれた部分の意識を捨てる(耳の上に意識を持っていく)事。

人間の手のひらは高感度センサー。押し込まれる圧力には敏感です。その上、掴まれている部分に意識を向け、接触圧が変化すると相手はあなたがどう動こうとしているのか何となく分かります。その結果、動きに抵抗されます。

完全に意識を消す事ができれば一番なのですが訓練が必要。そこで、掴まれていると部分と全く別の部分を意識します。

例えば足裏、下腹などに意識を向けて手首を動かす事で、相手はあなたの動きが読みづらくなります。

ただし肩には意識を向けない方が良いです。肩の動きは無意識レベルで相手に大量の情報を与えてしまいます。「肩に力が入っているぞ」肩は口ほどにものを言うのです。

そして大前提。目は口ほどに物を言う。意識を別の所に向けていても、掴まれた部分を見てしまうと技は効きません。

人は無自覚でも視線で相手の動きや感情を察知します。動かす部分に視線は向けないようにしましょう。

手首を外す上級技:桜花

桜の花びらが触れるかの如く柔らかな接触圧を使う技法。ミスディレクションと呼ばれる手品で使われる相手の意識を逸らす技術を使用する技です。

あまりに繊細で、初段以上の技になるのでやり方は割愛します。力を要さない護身術、華麗に動ける護身術として、こんな技法もあるという紹介のため、書かせて頂きました。

女性は男性より感性が豊かな方が多く、元来優しい人間性なので、ふわっとした技の上達が早いように思われます。

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合気道ベースの護身術のコツは?

曰く!当たる所無視!これだけ!

 

合気道は本当に簡単な護身術なのか?

私達の合気道護身術教室に在籍しているのは運動神経が良い方ばかりではありません。

正直に申し上げると、最初の頃は「この人に合気道ベースの技が使えるようになるのだろうか?」と不安になるような方も。

しかし今では少し気を抜くと吹き飛ばされてしまいます。それに繊細な技も上手になり動きに美しさすら感じます。

個人差はありますが簡単かつ短期間(半年から一年程度)で使えるようになる護身術であると胸を張って言う事ができます。

冒頭で紹介した筆者(170cm, 74kg)を吹き飛ばした女性(150cm代、??kg)は、週二回の稽古を一年程続けただけです。

なお、当会の護身術は合気道の秘伝を使用する動きなので、人体や心理学に興味がある方にはより面白さ、楽しさを感じてもらえるようです。

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IAM護身術教室の稽古内容IAM護身術=Iguchi Aikido Method 護身術。井口雅博師範が遺した合気道の秘伝を普通の人が短期習得できるよう、稽古内容...

おまけ:護身術の電子書籍

一般的な護身術も含まれていますが、下記の師匠が書かれた下記電子書籍には上で紹介した「皮取り」と「意識を捨てる」技に関してより詳細に記載されていますので合わせて紹介させて頂きます。是非一読ください。

『力の弱い人でもできる唯一の護身術, Kindle』