身体操作・身体感覚

ゆっくり動く事で鍛えられるインナーマッスルと認知力

体を鍛える時は早く力強く動きたくなるもの。確かにパワーとスタミナをつけるなら力強く素早い運動の方が好ましいのですが、身体操作能力を高めて人体の本来持っている力を引きだつためには、ゆっくりと動くトレーニングや筋肉に負荷を与えたままバランスを維持する静的トレーニングを行った方が効率的。

なぜなら姿勢を制御し体幹の力を効率よく発揮する為に必須の筋肉で体の奥深くに存在する深層筋(インナーマッスル)はゆったりと静かな動きを通じて鍛えられるからです。本記事ではゆっくり動くトレーニングの効果と、下半身を鍛えるヨガのシークエンスを紹介します。

ゆっくり動くトレーニングの効果

1. 姿勢を制御する深層筋が鍛えられる

素早く動く動的トレーニングを行うと体力と筋力が短期間でつくので、達成感と満足感があります。その反面、正しい型が身についてなくとも、素早く動いているとできているように感じてしまうため、長期に渡って続けると個人の筋肉や骨格の偏りを反映した癖やダメージが蓄積されていく恐れがあります。

また素早い動きは身体外側の大きな筋肉の動きに頼りがちになるので、深層筋(インナーマッスル)のトレーニング効率が落ちます。人体に存在する筋肉の種類は600を超え、身体を効率よく動かすためにはそれら全てが統合される必要があるため、表層の大きい筋肉だけ特化して鍛えるのは運動能力向上の観点からは後一歩足りません。

では深層筋を鍛える方法は?それがゆっくり動くトレーニングです。取り組んでいるスポーツで集中的に使われる筋肉や弱点部位などは特化して鍛えた方が良いでしょう。しかし人体の自然な使い方を取り戻すにはゆっくりした動きの方が好ましいのです。

 

2. 動作に対する認知力が向上する

ゆっくり動くと一つ一つの動きを細分化して脳が認識、そして細分化されたステージ毎にインナーマッスルが姿勢を制御するために働き始めます。歩くという動作を例にとると、素早く踏み出した時にどの部位にどれだけの力を、どの方向にかけているかを認識する事は極めて困難です。対して一歩を60秒かけてmm単位で身体を動かして踏み出すと、膨大な情報が脳に流れ込んできます。そして己の骨格や筋肉の歪みも露呈される。

物事は認識する事で初めて出来るようになるものです。雑に回数を重ねるより、ゆっくりでも身体と対話しながら動きを味わい尽くした方が長期的に見て身体能力は向上します。しかも怪我や故障もしにくい。

あらゆる動作をただゆっくり行うだけで、トレーニング効果は激増します。その中でもおススメはヨガ。いくつかのポーズを行うだけで、①体軸を安定させるインナーマッスルの強化、②力を効率よく発揮できる骨格位置に対する感度向上、③ゆっくり深い呼吸に合わせて身体を動かすことによる有酸素運動効果が得られます。

深層筋と認知力を鍛えるヨガ

筋トレでは肥大させたい部位、引き締めたい部位に集中します。対してヨガは全身を調和させる必要があるので、体全体の筋肉をバランスよく使う事が必須となります。その結果、日常動作で使えていなかった深層筋をはじめとした身体の深部、細部まで鍛えることが出来、ボディラインのバランスが整い、しなやかな筋肉が得られます。ヨガは全身のボディメイクに効果大です。

また静止状態にある時、肩甲骨、骨盤、背骨を正しい位置(もっとも楽に自然に身体を支えられる位置)に収まるよう意識するだけで劇的にトレーニング効果効率が向上します。これらの骨が正しい位置にある事をキープする事で、力が効率よく発揮できるようになるので、あたかも筋力が増大したかの如く、力強い運動もできるようになります。

 

しかし鏡を見ながら行う事はオススメしません、鏡はありのままを写すものではなく見たいものを写すからです。また鏡を見ながら行うと理想系に近づけようとして限界を超えた動きをしてしまいがち。すると怪我や故障の元になります。人と比べる事無く、自身にできることをできる範囲でやるのがヨガの原則。ポーズは鏡を見るのではなく動画に撮って後から確認するようにして、ポーズの間は肉や骨と対話してみましょう。

筋肉や骨格を意識しづらいという方も、動きを繰り返し、そして筋肉図や骨格図を思い出したころにチラッと見るだけで意識できるようになってきます。最初の頃はゆっくり深い呼吸に合わせて、吸う息を一番伸びている筋肉や使用している筋肉に集め、吐く息で空気が背骨を通って頭頂から抜けていくイメージ、または両腕足先から抜けていくイメージで行ってみましょう。徐々に体内の情報に対する認知力が向上していきます。

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